ふりかえりの目的
アジャイルのふりかえりとは、スプリントの終わりに実施するミーティングの事です。文字通り振り返ることで今後のスプリントに活かせることや改めるべきことが見えてくる大事なイベントです。
ふりかえりで意識する事
客観的な現象ややったことをもとに分析をすることが重要です。意識するべき点は事象とその分析であり、それをした後に良かった点・反省点を出すということです。
あらかじめ考えていた「あれがだめだった」「これもだめだった」ありきでふりかえりを実施すると、偏った物の見方で振り返ることになってしまいます。逆に「あれよかった」「これもよかった」ありきでも同様であり、見えるものが見えなくなってしまいます。
だめだったと思っていた中でもここは良かったという部分もありますし、その逆もしかりです。自分自身が過剰にダメだったと思い込んでいるだけの場合もありますから、客観的に振り返ることが大事なのです。
物事を細かく時系列に分析
最初にも書きましたが、良いことを次に活かし、反省点を改めるために実施することがふりかえりの目的です。そのために様々な観点から前のスプリントのふりかえりをするために、数多の手法が存在していますし、日々増えているはずです。「アジャイル ふりかえり 手法」で検索すると数えきれないくらい出てきます。
それらの手法に共通するものは何かというと行きつくところは、前スプリントをあらゆる角度から分析して次に活かすためにすることです。手法が変われば物の見方も変わります。だからいろいろな手法をやってみるとスプリントを深く分析する事ができ、その積み重ねでプロジェクトをよりよくしていく事ができるのです。
なぜなぜ分析
現象とは前スプリントで起きたことや実施したことだけではありません。ふりかえり手法を探すと出てきますが感情の分析も一つの分析の視点です。どう思ったか・どう感じたか・どんな感情になったかも立派な事実なのです。
ですから、客観的事実を細かくなぜなぜ分析をしてから自分の感情はどうだったかということもふりかえるとまた別の事が見えてくることがあります。さらに深くまでなぜなぜ分析が出来るということです。
マイナス感情になるのにも理由はあります。そこから効率化や改善の余地を見いだせるかもしれません。例えば、納品用の提出書類を作るタスクがあったとします。いつまでに納品物を作成しておき、文書を作成後、納品するということは客観的事実です。それに対して「面倒くさいなぁ」と感じたらそれに対しても「なぜ面倒くさいのか」を分析していきます。
毎度毎度同じ作業の繰り返しだから?納品物作成するよりももっとより良いものを作りたいから?ただ単純にこの事務作業が嫌いだから?など、人それぞれですが理由があるはずです。それがわかると、「自動化できないか」とか「簡略化できないか」といった解決へ向けた議論を始めることが出来ます。それにより今後の納品作業が面倒くさいと思う度合いは下がるはずです。
こういったことをするためにふりかえりはあります。目的がわかると形骸化せずにすみますから、ぜひふりかえりを有意義なものにできる一助になれればうれしいです。