社内ネットワークだけつながらない原因とは?初心者向けに確認手順・原因・対処法を徹底解説
「インターネットは見られるのに社内共有フォルダや社内システムだけ利用できない」というトラブルは、ヘルプデスクや社内SEが日常的に対応する代表的な障害の一つです。
このような場合は、やみくもにパソコンを再起動するのではなく、「ユーザー側・ネットワーク側・サーバー側」の順番で切り分けることが重要です。本記事ではIT初心者でも実践できる確認方法と、現場でよくある原因を分かりやすく紹介します。
社内ネットワークだけつながらないとは?
社内ネットワークとは、会社の中だけで利用できるネットワークのことです。
例えば次のようなサービスが利用できなくなる状態を指します。
- 共有フォルダ
- ファイルサーバー
- 社内Webシステム
- Active Directory認証
- 社内プリンター
- NAS
- 業務システム
一方でGoogleやYahoo!などのインターネットサイトは問題なく表示できることがあります。
よくある症状
- 共有フォルダへアクセスできない
- 社内システムだけ開けない
- ネットは使えるがファイルサーバーへ接続できない
- 社内プリンターだけ印刷できない
- 「ネットワークパスが見つかりません」と表示される
- リモートデスクトップ接続だけ失敗する
まず確認する順番
- 他の社員も同じ症状か確認する
- インターネットは利用できるか確認する
- 共有フォルダや社内サーバーだけ利用できないか確認する
- IPアドレスを確認する
- VPN接続の有無を確認する
- DNSの名前解決を確認する
- サーバー障害が発生していないか確認する
この順番で確認すると原因を効率よく切り分けられます。
社内ネットワークだけつながらない主な原因
| 原因 | 症状 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| VPN未接続 | 社外から社内へ接続できない | VPNアイコンの状態 |
| DNS障害 | サーバー名だけ接続できない | 名前解決 |
| IPアドレス異常 | 一部ネットワークだけ通信不可 | ipconfig |
| Active Directory障害 | 認証エラー | ログイン状態 |
| サーバー停止 | 全員利用不可 | 他ユーザーへ確認 |
| Windowsファイアウォール | 共有フォルダのみ不可 | 通信制限 |
| LANケーブル・Wi-Fi異常 | 一部通信のみ不安定 | 物理接続 |
原因の切り分け方法
① 自分だけか全員か確認する
最初に確認すべきなのは、自分だけの障害か全社的な障害かです。
他の社員も利用できない場合は、サーバーやネットワーク機器の障害である可能性が高くなります。
② VPNを確認する
在宅勤務ではVPN接続が切れているだけで社内ネットワークへ接続できなくなります。
VPNが未接続なら、まず再接続を試してください。
③ IPアドレスを確認する
コマンドプロンプトを開きます。
Windows + R → cmd
次のコマンドを実行します。
ipconfig
確認するポイントは次のとおりです。
- IPv4アドレスが取得できているか
- デフォルトゲートウェイが表示されているか
- DNSサーバーが設定されているか
169.254.xxx.xxxの場合は正常にIPアドレスを取得できていません。
④ サーバーへPingを実行する
コマンドプロンプトで実行します。
ping サーバー名
または
ping IPアドレス
結果の見方は次のとおりです。
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 応答あり | 通信できている |
| タイムアウト | 通信不可 |
| ホストが見つからない | DNS異常の可能性 |
⑤ DNSを確認する
サーバー名では接続できないがIPアドレスなら接続できる場合は、DNSが原因である可能性があります。
コマンドプロンプトで確認できます。
nslookup サーバー名
⑥ ネットワークドライブを確認する
エクスプローラーでネットワークドライブに赤い×印が付いていないか確認します。
切断されている場合は再接続が必要になることがあります。
イベントビューアーで確認する方法
Windows + X を押し、「イベントビューアー」を開きます。
次のログを確認します。
- Windowsログ
- システム
- アプリケーション
ネットワークアダプターやDNS、認証エラーなどが記録されていないか確認しましょう。
PowerShellで確認できる内容
ネットワーク設定を確認します。
Get-NetIPAddress
通信確認を行います。
Test-NetConnection サーバー名
ポート番号まで確認できるため、社内システムの障害調査でもよく利用されます。
GUIで確認する方法
- 設定を開く
- ネットワークとインターネット
- Wi-FiまたはEthernet
- 接続状態を確認する
- IPアドレスを確認する
影響範囲を確認する
- 自分だけか
- 部署全体か
- 拠点全体か
- VPN利用者だけか
- 特定サーバーだけか
影響範囲が分かると、原因を素早く絞り込めます。
ユーザー側・サーバー側・ネットワーク側の切り分け
| 確認対象 | 主な内容 |
|---|---|
| ユーザー側 | LAN・Wi-Fi・VPN・IPアドレス |
| Windows側 | ファイアウォール・資格情報 |
| DNS側 | 名前解決 |
| DHCP側 | IPアドレス配布 |
| Active Directory側 | 認証・グループポリシー |
| サーバー側 | サービス停止・共有設定 |
| ネットワーク側 | スイッチ・ルーター・VLAN |
現場で実際によくある事例
私が社内SEとして対応したケースでは、「インターネットは利用できるのに共有フォルダだけ開けない」という問い合わせがありました。
最初はファイルサーバーの障害を疑いましたが、確認すると利用者は在宅勤務中でVPN接続が切断されていました。VPNへ再接続するとすぐに復旧し、サーバー側には問題がありませんでした。
このように、利用者側の接続状態を最初に確認するだけで短時間で解決するケースは少なくありません。
初心者がやりがちなミス
- いきなり再起動する
- サーバー障害と決めつける
- IPアドレスを確認しない
- VPN接続を忘れる
- エラーメッセージを記録しない
- 他の社員へ確認しない
上司へ報告するポイント
- 発生日時
- 利用者名
- 発生場所
- 対象サーバー
- エラーメッセージ
- 他ユーザーへの影響
- 実施した確認内容
- 実施した対処内容
エスカレーションするタイミング
- 複数ユーザーへ影響が出ている
- サーバー停止が疑われる
- ネットワーク機器障害の可能性がある
- Active DirectoryやDNSサーバーに障害がある
- 管理者権限が必要な対応になる
関連するIT用語
- Active Directory(Microsoftのユーザー管理システム)
- DNS(Domain Name System)
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
- VPN(Virtual Private Network)
- IPアドレス
- デフォルトゲートウェイ
- NAS
- ファイルサーバー
よくある質問(FAQ)
Q. インターネットは使えるのに共有フォルダだけ開けません。
VPN切断、DNS障害、ファイルサーバー停止、アクセス権限の変更などが考えられます。まずは他の利用者も同じ症状か確認しましょう。
Q. Pingが通らない場合は故障ですか?
必ずしも故障ではありません。ファイアウォールでPingを拒否しているサーバーもあるため、PowerShellのTest-NetConnectionやサーバー管理者への確認も有効です。
Q. 169.254から始まるIPアドレスになっています。
DHCPサーバーからIPアドレスを取得できていない状態です。LANケーブル、Wi-Fi、ネットワーク機器、DHCPサーバーの順に確認してください。
まとめ
社内ネットワークだけ接続できない場合は、「自分だけか」「インターネットは使えるか」「VPN」「IPアドレス」「DNS」「サーバー」の順番で確認することが基本です。
IT現場では、原因を推測するよりも切り分けを順番どおりに実施することが評価されます。初心者のうちは確認手順を決めて対応する習慣を身に付けることで、トラブル対応のスピードと正確性が大きく向上します。
