通信速度とは?IT業務初心者向けに意味・単位・測定方法・遅い場合の対処法をわかりやすく解説
結論
通信速度とは、ネットワーク上で一定時間にどれだけのデータを送受信できるかを示す値です。一般的にMbpsやGbpsで表します。通信速度が遅いと、Webページの表示、ファイル転送、オンライン会議、クラウド利用などに影響します。トラブル時は、1台だけ遅いのか、複数台で遅いのかを確認し、端末、Wi-Fi、有線LAN、VPN、ネットワーク機器、サーバーの順に切り分けることが重要です。
- 通信速度とは
- 通信速度が関係する場面
- 通信速度が重要な理由
- 通信速度の単位
- MbpsとMB/sの違い
- 上り速度と下り速度の違い
- 通信速度と応答速度の違い
- 遅延・ジッター・パケットロスとは
- 通信速度が遅い主な原因
- 最初に確認する順番
- 影響範囲から原因を切り分ける
- Windows 11で通信状況を確認する方法
- タスクマネージャーで確認するポイント
- GUIでネットワークのリンク速度を確認する方法
- コマンドプロンプトで確認できる内容
- PowerShellで確認できる内容
- Wi-Fiの通信速度が遅い場合
- 有線LANの通信速度が遅い場合
- VPN接続時に遅い場合
- ファイル転送が遅い場合
- オンライン会議が途切れる場合
- 通信速度測定で注意すること
- イベントビューアーで確認する方法
- 原因の切り分け
- 業務でよくあるトラブル
- 実際のIT現場での利用例
- 筆者の失敗談
- 初心者がやりがちなミス
- 注意点
- 上司へ報告するポイント
- エスカレーションするタイミング
- 新人が覚えておくべきポイント
- 関連するIT用語
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
通信速度とは
通信速度とは、パソコンやスマートフォンとサーバーの間で、データを送受信する速さです。
英語では「Network Speed」「Communication Speed」「Data Transfer Rate」などと表現されます。
通信速度が速いほど、大きなファイルを短時間で転送しやすくなり、Webページや動画も滑らかに表示されます。
通信速度が関係する場面
- Webサイトを表示する
- メールの添付ファイルを送受信する
- 共有フォルダーのファイルを開く
- OneDriveやSharePointを同期する
- Microsoft Teamsなどでオンライン会議を行う
- 大容量ファイルをアップロード・ダウンロードする
- リモートデスクトップを利用する
- 業務システムからデータを取得する
通信速度が重要な理由
通信速度が遅いと、業務処理に時間がかかります。
例えば、共有フォルダーのExcelを開くのに時間がかかる、Teams会議の音声が途切れる、クラウドへの同期が終わらないといった問題が発生します。
ただし、画面表示が遅い原因は通信速度だけとは限りません。端末性能、サーバー負荷、アプリの不具合、DNSの応答遅延なども確認する必要があります。
通信速度の単位
| 単位 | 意味 |
|---|---|
| bps | 1秒間に送れるビット数 |
| Kbps | 1秒間に送れるキロビット数 |
| Mbps | 1秒間に送れるメガビット数 |
| Gbps | 1秒間に送れるギガビット数 |
bpsは「bits per second」の略です。
通信速度では小文字のbを使い、ファイルサイズでは大文字のBを使います。
MbpsとMB/sの違い
| 単位 | 意味 |
|---|---|
| Mbps | 1秒間に送れるメガビット数 |
| MB/s | 1秒間に送れるメガバイト数 |
1バイトは8ビットです。そのため、100Mbpsの通信速度でも、単純計算で最大転送速度は約12.5MB/sです。
実際には通信制御や暗号化などの処理があるため、計算上の最大値より遅くなることが一般的です。
上り速度と下り速度の違い
| 種類 | 意味 | 利用例 |
|---|---|---|
| 下り速度 | サーバーから端末へ受信する速さ | Web閲覧、ダウンロード、動画視聴 |
| 上り速度 | 端末からサーバーへ送信する速さ | アップロード、オンライン会議、クラウド保存 |
オンライン会議では、下り速度だけでなく上り速度も重要です。
通信速度と応答速度の違い
| 項目 | 通信速度 | 応答速度 |
|---|---|---|
| 意味 | 一定時間に送れるデータ量 | 送信してから応答が返るまでの時間 |
| 主な単位 | Mbps、Gbps | ms |
| 影響 | 大容量データの転送時間 | 画面操作や会話の遅延 |
通信速度が速くても、応答速度が遅いと、リモート操作やオンライン会議で遅延を感じる場合があります。
遅延・ジッター・パケットロスとは
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 遅延 | データの往復にかかる時間 |
| ジッター | 通信の遅延時間がばらつく状態 |
| パケットロス | 送信したデータの一部が届かない状態 |
オンライン会議で音声が途切れる場合は、通信速度不足だけでなく、ジッターやパケットロスも疑います。
通信速度が遅い主な原因
| 原因 | 確認内容 |
|---|---|
| Wi-Fiの電波が弱い | アクセスポイントとの距離や障害物を確認する |
| 回線が混雑している | 時間帯や利用者数を確認する |
| VPNを利用している | VPN接続時だけ遅いか確認する |
| 大容量通信が行われている | 同期、更新、バックアップを確認する |
| LANケーブルの規格が古い | ケーブルやネットワーク機器の規格を確認する |
| 端末性能が不足している | CPU、メモリ、ディスク使用率を確認する |
| サーバー負荷が高い | 他ユーザーも遅いか確認する |
最初に確認する順番
- どの操作が遅いのか確認する
- 1台だけか、複数台で遅いのか確認する
- Wi-Fiか有線LANか確認する
- VPN接続の有無を確認する
- 別のWebサイトや別サーバーでも遅いか確認する
- タスクマネージャーで通信量を確認する
- 端末、ネットワーク、サーバーの順に切り分ける
影響範囲から原因を切り分ける
| 発生状況 | 疑う場所 |
|---|---|
| 1台だけ遅い | 端末、Wi-Fi、LANケーブル、アプリ |
| 同じ部署で複数台遅い | アクセスポイント、スイッチ、回線 |
| 全社で遅い | インターネット回線、ルーター、基幹ネットワーク |
| 特定サービスだけ遅い | 対象サーバー、DNS、アプリ |
| VPN接続時だけ遅い | VPN装置、回線、暗号化処理 |
Windows 11で通信状況を確認する方法
- Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」を選択する
- 「Wi-Fi」または「イーサネット」を選択する
- 送信と受信のグラフを確認する
- 通信量が大きい場合は「プロセス」も確認する
タスクマネージャーで確認するポイント
- ネットワーク使用率が高くないか
- OneDriveなどの同期アプリが通信していないか
- Windows Updateが動作していないか
- ブラウザーが大量通信していないか
- バックアップソフトが動作していないか
GUIでネットワークのリンク速度を確認する方法
- Windowsキー+Iで「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「ネットワークの詳細設定」を開く
- 利用中のネットワークアダプターを確認する
- リンク速度を確認する
リンク速度は、端末とネットワーク機器間の接続速度です。インターネットの実効速度とは異なります。
コマンドプロンプトで確認できる内容
- ping:応答時間や通信の安定性を確認する
- tracert:接続先までの通信経路を確認する
- ipconfig /all:IPアドレスやDNS設定を確認する
- netstat:現在の通信状態を確認する
- nslookup:DNS(Domain Name System)の応答を確認する
ping結果の見方
| 結果 | 考えられる状態 |
|---|---|
| 応答時間が短く安定している | 通信経路は比較的安定している |
| 応答時間の差が大きい | 回線の混雑や無線通信の不安定が疑われる |
| 要求がタイムアウトする | パケットロスや通信遮断の可能性がある |
| 名前では失敗しIPでは成功する | DNSの問題が疑われる |
接続先がping応答を禁止している場合もあるため、pingだけで障害と判断しないでください。
PowerShellで確認できる内容
- Get-NetAdapter:ネットワークアダプターとリンク速度を確認する
- Get-NetAdapterStatistics:送受信データ量やエラーを確認する
- Test-NetConnection:接続先やポートへの通信を確認する
- Get-NetIPConfiguration:IPアドレスやゲートウェイを確認する
- Get-NetTCPConnection:TCP通信の状態を確認する
設定変更を伴うコマンドは、社内手順や管理者の指示に従って実行してください。
Wi-Fiの通信速度が遅い場合
- アクセスポイントへ近づく
- 壁や金属製品などの障害物を確認する
- 電波強度を確認する
- 別の場所でも遅いか確認する
- 同じWi-Fiを使う端末数を確認する
- 他の端末でも遅いか確認する
有線LANの通信速度が遅い場合
- LANケーブルが正しく接続されているか確認する
- ケーブルの規格や劣化を確認する
- ドッキングステーションを経由しているか確認する
- 別のLANポートで試す
- リンク速度が想定どおりか確認する
- 別端末でも同じ場所で遅いか確認する
VPN接続時に遅い場合
VPN(Virtual Private Network)は通信を暗号化し、社内ネットワークを経由させるため、通常のインターネット接続より遅くなる場合があります。
- VPNなしでは速いか確認する
- VPN接続先を確認する
- 自宅回線やWi-Fiの状態を確認する
- 複数ユーザーでも遅いか確認する
- 大容量ファイルの転送を避けられるか検討する
ファイル転送が遅い場合
- ファイルサイズを確認する
- 保存先がローカルか共有フォルダーか確認する
- 小さなファイルでも遅いか試す
- VPNを経由しているか確認する
- ウイルス対策ソフトの検査状況を確認する
- 他ユーザーも同じ共有先で遅いか確認する
オンライン会議が途切れる場合
- カメラを一時的にオフにして改善するか確認する
- 他の大容量通信を停止する
- Wi-Fiから有線LANへ切り替える
- VPNの利用が必要か確認する
- CPUやメモリ使用率を確認する
- 同じ場所の他端末でも発生するか確認する
通信速度測定で注意すること
- 測定中は他のダウンロードや同期を止める
- Wi-Fiか有線LANか記録する
- VPNの有無を記録する
- 測定した時刻を記録する
- 1回だけでなく複数回確認する
- 会社が許可した測定方法を利用する
外部の速度測定サイトは、業務用ネットワークでは利用が制限されている場合があります。
イベントビューアーで確認する方法
- Windowsキー+Xを押す
- 「イベントビューアー」を開く
- 「Windowsログ」を展開する
- 「システム」を開く
- 遅延発生時刻付近のネットワーク関連エラーを確認する
- イベントID、ソース、発生時刻を記録する
ネットワークアダプター、無線LAN、DHCP、DNS、VPNなどのエラーが記録される場合があります。
原因の切り分け
| 確認対象 | 確認内容 |
|---|---|
| ユーザー側 | 大容量通信、VPN、利用場所を確認する |
| Windows側 | アダプター、CPU、メモリ、更新処理を確認する |
| ネットワーク側 | Wi-Fi、LANケーブル、スイッチ、回線を確認する |
| DNS側 | 名前解決に時間がかかっていないか確認する |
| Active Directory側 | ログイン処理やポリシー適用の遅延を確認する |
| サーバー側 | 負荷、ディスク、サービス状態を確認する |
| アプリ側 | アプリの処理負荷や不具合を確認する |
業務でよくあるトラブル
- Wi-Fi接続中に大容量ファイルを転送する
- OneDrive同期中にオンライン会議を行う
- VPN経由の通信速度を通常回線と比較する
- リンク速度と実効速度を混同する
- 1台だけの問題を回線障害だと思い込む
- 速度だけを測り、遅延やパケットロスを確認しない
- 自己判断でネットワーク設定を変更する
実際のIT現場での利用例
ユーザーから「Teams会議の音声が途切れる」と問い合わせを受けました。確認すると、同じ端末でOneDriveが大容量ファイルを同期していました。
同期を一時停止すると会議が安定したため、回線を複数処理で使用していたことが原因と判断できました。
通信速度トラブルでは、バックグラウンドで動いている同期や更新も確認することが大切です。
筆者の失敗談
新人時代、通信速度が遅いという申告を受け、すぐにネットワーク障害だと判断したことがあります。
実際には、その端末だけでWindows Updateとクラウド同期が同時に動作していました。それ以来、影響範囲とタスクマネージャーを最初に確認しています。
初心者がやりがちなミス
- MbpsとMB/sを同じだと思う
- 通信速度だけで快適さを判断する
- Wi-Fiの電波強度を確認しない
- バックグラウンド通信を見落とす
- 他の端末で再現するか確認しない
- pingの失敗だけで障害と判断する
- ルーターやスイッチを勝手に再起動する
注意点
- 最初に影響範囲を確認する
- 測定条件をそろえる
- 速度だけでなく遅延や安定性も確認する
- 固定IPやDNSを自己判断で変更しない
- ネットワーク機器を勝手に再起動しない
- 発生時刻と確認結果を記録する
上司へ報告するポイント
- 遅い操作やサービス名
- 発生日時
- 影響を受けるユーザー数
- Wi-Fi、有線LAN、VPNの利用状況
- 測定した通信速度と条件
- pingの応答時間やタイムアウトの有無
- バックグラウンド通信の有無
- 別端末や別場所での確認結果
- 実施した対応内容
エスカレーションするタイミング
- 複数端末や部署全体で遅い
- オンライン会議や業務システムを利用できない
- 通信の切断やパケットロスが繰り返し発生する
- 回線やネットワーク機器の障害が疑われる
- VPN利用者全体へ影響している
- サーバー負荷が疑われる
- 再起動や接続変更でも改善しない
新人が覚えておくべきポイント
- 通信速度は一定時間に送受信できるデータ量
- MbpsとMB/sは異なる
- 上りと下りの両方を確認する
- 速度だけでなく遅延やパケットロスも重要
- 最初に影響範囲とバックグラウンド通信を確認する
- 複数ユーザーへ影響する場合は早めに報告する
関連するIT用語
- 通信
- 帯域幅
- Mbps
- Gbps
- 上り速度
- 下り速度
- 遅延
- ジッター
- パケットロス
- スループット
よくある質問(FAQ)
通信速度とは何ですか?
ネットワーク上で、一定時間にどれだけのデータを送受信できるかを示す値です。一般的にMbpsやGbpsで表します。
MbpsとMB/sは同じですか?
異なります。Mbpsはビット、MB/sはバイトを単位にしています。1バイトは8ビットです。
通信速度が速ければオンライン会議は安定しますか?
必ずしも安定するとは限りません。遅延、ジッター、パケットロス、端末性能も影響します。
Wi-Fiだけ遅い場合は何を確認しますか?
電波強度、アクセスポイントとの距離、障害物、利用端末数、他端末での再現有無を確認します。
VPN接続時に遅くなるのはなぜですか?
通信の暗号化や社内ネットワーク経由の処理が追加されるためです。VPN装置の負荷や自宅回線も影響します。
通信速度が遅い場合、最初に何を確認しますか?
1台だけか複数台か、Wi-Fiか有線LANか、VPN利用中か、同期や更新が動いていないかを確認してください。
まとめ
通信速度とは、一定時間にどれだけのデータを送受信できるかを示す値です。Web閲覧、ファイル転送、クラウド同期、オンライン会議などの快適さに影響します。
遅い場合は、影響範囲、接続方法、VPN、バックグラウンド通信、端末性能、ネットワーク、DNS、サーバーの順に確認すると効率的です。速度だけでなく、遅延、ジッター、パケットロスも確認し、複数ユーザーへ影響している場合は早めに担当者へエスカレーションしましょう。
