通信断が発生する原因とは?初心者向けに確認手順・原因・対処方法を徹底解説
「インターネットが突然切れる」「社内システムが頻繁に切断される」「Web会議中に通信が途切れる」という通信断のトラブルは、社内SEやヘルプデスクが日常的に対応する代表的なネットワーク障害です。
通信断は、パソコンだけでなく、LANケーブルやWi-Fi、ネットワーク機器、回線、サーバーなど、さまざまな原因で発生します。そのため、ユーザー側・ネットワーク側・サーバー側の順番で切り分けることが重要です。
本記事では、IT業務に従事する初心者向けに、通信断が発生する原因や確認方法、具体的な対処手順を分かりやすく解説します。
通信断とは?
通信断とは、ネットワーク接続が一時的または継続的に切断され、インターネットや社内ネットワークへ正常に通信できなくなる状態です。
完全に通信できなくなる場合もあれば、数秒~数分おきに通信が切れたり回復したりするケースもあります。
主な症状
- インターネットが頻繁に切れる
- Web会議が途中で切断される
- VPN接続が切れる
- 社内システムからログアウトされる
- 共有フォルダへアクセスできなくなる
- リモートデスクトップ接続が切断される
- オンライン業務が不安定になる
通信断が発生する主な原因
| 原因 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| LANケーブル不良 | 断線・接触不良 | ケーブル交換 |
| Wi-Fi電波不良 | 電波が弱い・干渉 | 電波強度 |
| ネットワークアダプター異常 | ドライバー・故障 | デバイスマネージャー |
| DHCP障害 | IPアドレス再取得失敗 | ipconfig |
| IPアドレス重複 | 通信が不安定 | IPアドレス確認 |
| ネットワーク機器障害 | スイッチ・ルーター故障 | 他端末も確認 |
| 回線障害 | インターネット回線異常 | 他拠点も確認 |
| サーバー障害 | 特定サービスのみ切断 | サーバー稼働確認 |
まず確認する順番
- 自分だけか他の利用者も同じ症状か確認する
- 有線LANかWi-Fiか確認する
- LANケーブルやWi-Fi接続状態を確認する
- IPアドレスを確認する
- Pingで通信状態を確認する
- ネットワーク機器や回線障害を確認する
- サーバー障害が発生していないか確認する
切り分けの順番を決めて確認すると、原因を効率よく特定できます。
原因の切り分け方法
① 他の利用者も同じ症状か確認する
最初に、自分だけ発生しているのか、他の利用者も同じ症状なのか確認します。
- 自分だけ:パソコンやLANケーブル、Wi-Fiなど端末側の可能性が高い
- 複数人:ネットワーク機器やサーバー、回線側の可能性が高い
② LANケーブルやWi-Fiを確認する
有線LANの場合はLANケーブルの抜けや断線、LANポートのリンクランプを確認します。
Wi-Fiの場合は、SSIDが正しいか、電波強度が十分か、アクセスポイントから離れすぎていないか確認しましょう。
③ IPアドレスを確認する
コマンドプロンプトを起動します。
Windows + R → cmd
次のコマンドを実行します。
ipconfig
169.254.xxx.xxxになっている場合は、DHCPからIPアドレスを取得できていません。
④ Pingで通信状態を確認する
まずデフォルトゲートウェイへPingを実行します。
ping デフォルトゲートウェイのIPアドレス -t
応答が途切れる場合は、パソコンからネットワーク機器までの間に問題がある可能性があります。
続いてインターネットへの通信を確認します。
ping 8.8.8.8 -t
最後にDNSの名前解決を確認します。
ping google.com -t
IPアドレスには通信できるが、ドメイン名では失敗する場合はDNS障害が考えられます。
⑤ ネットワークアダプターを確認する
Windows + X を押し、「デバイスマネージャー」を開きます。
ネットワークアダプターに黄色い「!」マークが表示されていないか確認します。
ドライバーの異常やアダプターの故障が原因となる場合があります。
GUIで確認する方法
- 設定を開く
- ネットワークとインターネット
- EthernetまたはWi-Fiを開く
- 接続状態を確認する
- IPアドレスや通信状態を確認する
PowerShellで確認できる内容
ネットワークアダプターを確認します。
Get-NetAdapter
IPアドレスを確認します。
Get-NetIPAddress
通信確認を行います。
Test-NetConnection google.com
イベントビューアーで確認する方法
Windows + X を押し、「イベントビューアー」を開きます。
次のログを確認します。
- Windowsログ
- システム
ネットワークアダプターやTCP/IP、DHCP関連のエラーが記録されていないか確認しましょう。
影響範囲を確認する
- 自分だけ発生しているか
- 部署全体か
- 同じフロアだけか
- Wi-Fi利用者だけか
- 有線LAN利用者だけか
- VPN利用者だけか
- 会社全体か
影響範囲を把握することで、原因の切り分けがスムーズになります。
ユーザー側・サーバー側・ネットワーク側の切り分け
| 確認対象 | 主な内容 |
|---|---|
| ユーザー側 | LANケーブル・Wi-Fi・IPアドレス・ネットワークアダプター |
| Windows側 | ドライバー・TCP/IP設定・DHCP Clientサービス |
| DHCP側 | IPアドレス配布・リース状態 |
| DNS側 | 名前解決 |
| ネットワーク側 | スイッチ・ルーター・アクセスポイント・回線 |
| サーバー側 | 業務システム・VPN・ファイルサーバー |
現場で実際によくある事例
社内で「数分ごとに通信が切れる」という問い合わせがありました。最初は回線障害を疑いましたが、継続的にPingを実行するとデフォルトゲートウェイへの応答が断続的に途切れていました。
LANケーブルを交換しても改善せず、別のネットワークポートへ接続すると症状は解消しました。原因はネットワークスイッチのポート不良でした。
また、ノートパソコンでは省電力機能によってネットワークアダプターが一時的に停止し、通信断が発生していたケースもありました。
初心者がやりがちなミス
- すぐにパソコンを再起動してしまう
- 通信断が発生した時間を記録しない
- Pingで継続的な通信確認を行わない
- LANケーブルやWi-Fiを確認しない
- 他の利用者への影響を確認しない
- サーバー障害と決めつけてしまう
上司へ報告するポイント
- 発生日時
- 発生頻度(何分ごと、何時間ごとなど)
- 利用端末名
- 有線LANかWi-Fiか
- エラーメッセージ
- 他ユーザーへの影響
- Pingの結果
- 実施した確認内容と対処内容
エスカレーションするタイミング
- 複数ユーザーで通信断が発生している
- ネットワークスイッチやルーターの故障が疑われる
- 回線事業者側の障害が疑われる
- サーバーやVPN装置の障害が疑われる
- 管理者権限が必要な対応となる
関連するIT用語
- IPアドレス
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
- DNS(Domain Name System)
- Ping
- デフォルトゲートウェイ
- VPN(Virtual Private Network)
- ネットワークスイッチ
- アクセスポイント
よくある質問(FAQ)
Q. 通信断と通信速度が遅いことは同じですか?
異なります。通信速度が遅い場合は通信自体は継続していますが、通信断はネットワーク接続が一時的または完全に切断される状態です。
Q. 通信断が数秒だけ発生する場合でも調査は必要ですか?
はい。短時間の通信断でもWeb会議やVPN、リモートデスクトップなどの業務へ大きな影響を与えるため、原因を特定することが重要です。
Q. Pingは何回実行すればよいですか?
一時的な通信断を調査する場合は、「ping IPアドレス -t」を実行し、通信断が発生するタイミングまで継続して確認すると原因の切り分けに役立ちます。
まとめ
通信断が発生した場合は、「他の利用者への影響確認」「物理接続」「IPアドレス」「Pingによる通信確認」「ネットワーク機器」「サーバー」の順番で切り分けることが重要です。
IT現場では、原因を推測するのではなく、継続的なPingの実行や影響範囲の確認など、客観的な情報を集めながら切り分けを進めることが迅速な障害対応につながります。基本的な確認手順を身に付けておくことで、通信トラブルにも落ち着いて対応できるようになります。
