APIとWebサービスの違いとは?初心者向けに役割・仕組み・REST APIとの関係をわかりやすく解説
結論
APIとWebサービスは混同されやすい用語ですが、意味は異なります。API(Application Programming Interface)は、ソフトウェア同士が機能やデータをやり取りするための「窓口」であり、Webサービスはインターネットや社内ネットワークを通じて利用できるサービスそのものです。
つまり、Webサービスの機能を外部システムから利用するためにAPIが提供されることが多くあります。
- APIとは
- Webサービスとは
- APIとWebサービスの違い
- APIとWebサービスの関係
- イメージで理解する
- REST APIとは
- どんな場面で使われるのか
- なぜ重要なのか
- 初心者が混乱しやすいポイント
- 実際のIT現場での利用例
- 筆者が現場で経験した失敗談
- 業務でよくあるトラブル
- 原因の切り分け
- 確認する順番
- GUIで確認する方法
- コマンドプロンプトで確認する方法
- PowerShellで確認する方法
- ログの確認方法
- イベントビューアーの確認方法
- 確認結果の見方
- 影響範囲を考える
- ユーザー側・サーバー側の切り分け
- 初心者がやりがちなミス
- 業務で上司へ報告するポイント
- エスカレーションするタイミング
- API・Webサービス・Web APIの違い
- 関連するIT用語
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
APIとは
API(Application Programming Interface)とは、アプリケーションやシステム同士が機能やデータを利用するための仕組みです。
開発者はAPIを利用することで、内部の処理を知らなくても決められたルールに従ってデータを取得したり登録したりできます。
例えば、天気情報APIを利用すると、自分で天気データを管理しなくても最新の天気情報を取得できます。
Webサービスとは
Webサービスとは、Webブラウザやアプリから利用できるサービスのことです。
インターネット経由で提供されるサービスだけでなく、社内ネットワークで利用するWebシステムもWebサービスに含まれます。
代表的な例として、メールサービス、クラウドストレージ、オンラインショッピングサイト、社内の勤怠管理システムなどがあります。
APIとWebサービスの違い
| 項目 | API | Webサービス |
|---|---|---|
| 役割 | システム同士を連携する窓口 | ユーザーへ機能を提供するサービス |
| 利用者 | アプリケーション・システム | 人(ブラウザ・アプリ利用者) |
| 画面 | 通常はない | 画面を持つことが多い |
| 通信方式 | HTTP、HTTPSなど | HTTP、HTTPSなど |
| 代表例 | REST API | ECサイト、社内ポータル |
APIとWebサービスの関係
多くのWebサービスでは、内部や外部との連携のためにAPIが提供されています。
例えば、ECサイトでは利用者はWeb画面を操作しますが、商品情報や注文情報の取得・更新にはAPIが利用されていることが一般的です。
| 利用者 | 利用するもの |
|---|---|
| 一般ユーザー | Webサービス |
| システム・アプリ | API |
イメージで理解する
レストランに例えると理解しやすくなります。
| 例え | 意味 |
|---|---|
| Webサービス | レストラン |
| API | 注文を受ける店員 |
| データベース | 厨房 |
利用者はレストラン(Webサービス)を利用しますが、注文は店員(API)が受け取り、厨房へ伝えて料理を届けます。
REST APIとは
現在最も広く利用されているAPIがREST APIです。
HTTPやHTTPSを利用して通信し、JSON形式でデータをやり取りすることが一般的です。
REST APIはクラウドサービスやスマートフォンアプリ、社内システムなど幅広い分野で採用されています。
どんな場面で使われるのか
- クラウドサービス連携
- スマートフォンアプリ
- 社内システム連携
- ECサイト
- Microsoft 365
- Google Workspace
- チャットボット
- 決済サービス
なぜ重要なのか
APIを利用することで、異なるシステム同士が自動的にデータを連携できます。
Webサービスだけでは人が操作する必要がありますが、APIを利用すればシステム同士で処理を自動化できます。
そのため、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務自動化にはAPIが欠かせません。
初心者が混乱しやすいポイント
APIはWebサービスではない
API自体はサービスではなく、サービスを利用するための仕組みです。
Webサービスの一部としてAPIが提供されることが多いため、混同されやすくなっています。
APIには画面がないことが多い
APIはシステム同士が利用するため、人が操作する画面は通常ありません。
そのため、ブラウザでアクセスしてもJSONデータだけが表示される場合があります。
実際のIT現場での利用例
- Microsoft Graph APIによるMicrosoft 365連携
- SlackやTeamsとの通知連携
- クラウドストレージとのファイル連携
- 社内システム間のデータ同期
- ECサイトの在庫管理
- 勤怠システムと給与システムの連携
社内SEやインフラエンジニアでも、APIを利用したシステム連携を担当する機会が増えています。
筆者が現場で経験した失敗談
あるシステム連携で、WebサービスへブラウザからアクセスできるためAPIも正常だと思い込んでいました。しかし、API認証用のアクセストークンが期限切れになっており、APIだけが利用できない状態でした。
Web画面が表示できてもAPIは別の仕組みで動作していることがあり、API専用の動作確認も必要だと学びました。
業務でよくあるトラブル
- API認証エラー
- アクセストークンの有効期限切れ
- HTTPステータスコード401・403
- API仕様変更
- JSON形式の誤り
- 通信タイムアウト
原因の切り分け
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| APIエンドポイント | URLが正しいか |
| HTTPメソッド | GETやPOSTが正しいか |
| 認証情報 | アクセストークンが有効か |
| JSON | 送受信データが正しいか |
| Webサービス | サービス自体が正常か |
確認する順番
- Webサービスが利用できるか確認する
- APIエンドポイントを確認する
- HTTPメソッドを確認する
- 認証情報を確認する
- HTTPステータスコードを確認する
- APIレスポンスを確認する
GUIで確認する方法
Google Chrome
- F12キーを押す
- Networkタブを開く
- ページを更新する
- API通信を選択する
- Headersでリクエストを確認する
- ResponseでJSONデータを確認する
Webサービスの画面操作に伴って、どのAPIが呼び出されているかを確認できます。
コマンドプロンプトで確認する方法
curlコマンドを利用すると、APIの動作確認ができます。
GETリクエストの例
curl https://api.example.com/users
レスポンスデータやHTTPステータスコードを確認できます。
PowerShellで確認する方法
PowerShellではInvoke-RestMethodやInvoke-WebRequestを利用してAPIへアクセスできます。
取得したJSONデータをPowerShellオブジェクトとして扱えるため、自動化や運用スクリプトで広く利用されています。
ログの確認方法
- APIサーバーログ
- IISアクセスログ
- Apacheアクセスログ
- Nginxアクセスログ
- アプリケーションログ
APIへのリクエスト内容やHTTPステータスコード、エラーメッセージを確認できます。
イベントビューアーの確認方法
API通信そのものはイベントビューアーには記録されません。
Windows ServerでAPIサービスを運用している場合は、アプリケーションログやイベントビューアーでエラーを確認できます。
- Windows+Rキーを押す
- eventvwr.msc と入力する
- Windowsログ
- アプリケーションを開く
- APIサービスのエラーを確認する
確認結果の見方
| HTTPステータスコード | 意味 |
|---|---|
| 200 OK | 正常 |
| 201 Created | 登録成功 |
| 400 Bad Request | リクエスト内容に誤りがある |
| 401 Unauthorized | 認証エラー |
| 403 Forbidden | 権限不足 |
| 404 Not Found | APIが存在しない |
| 500 Internal Server Error | サーバー内部エラー |
影響範囲を考える
- 特定のAPIだけか
- Webサービス全体か
- 連携システム全体か
- 全ユーザーか一部ユーザーか
- 外部サービスとの連携にも影響するか
ユーザー側・サーバー側の切り分け
| 確認対象 | 例 |
|---|---|
| ユーザー側 | ブラウザ、入力内容、ネットワーク |
| API側 | エンドポイント、認証、レスポンス |
| Webサービス側 | Webサーバー、アプリケーション |
| ネットワーク | DNS、ファイアウォール、プロキシ |
初心者がやりがちなミス
- APIとWebサービスを同じものだと思う
- ブラウザが表示されればAPIも正常だと思う
- HTTPメソッドを確認しない
- 認証情報を確認しない
- API仕様書を読まずに実装する
業務で上司へ報告するポイント
- 対象Webサービス
- 対象API
- HTTPステータスコード
- 認証エラーの有無
- 発生日時
- 影響範囲
- 実施した確認内容
エスカレーションするタイミング
- API全体が応答しない
- 認証サーバーに障害がある
- 500エラーが継続している
- API仕様変更が確認された
- Webサービス全体が利用できない
API・Webサービス・Web APIの違い
| 用語 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| API | ソフトウェア同士を連携する仕組み | REST API、ライブラリAPI |
| Webサービス | ブラウザやアプリから利用するサービス | ECサイト、社内システム |
| Web API | HTTPやHTTPSで利用するAPI | 天気API、決済API |
関連するIT用語
- REST API
- Web API
- HTTP
- HTTPS
- JSON
- リクエスト
- レスポンス
- HTTPステータスコード
- アクセストークン
- OAuth
よくある質問(FAQ)
APIとWebサービスは同じものですか?
いいえ。同じではありません。Webサービスは利用者へ機能を提供するサービスであり、APIはその機能を他のシステムから利用するための窓口です。
APIには画面がありますか?
通常はありません。APIはシステム同士が利用するため、JSONやXMLなどのデータを返すことが一般的です。
WebサービスにAPIは必ずありますか?
必ずではありませんが、多くのクラウドサービスや業務システムでは、外部連携やスマートフォンアプリとの連携のためにAPIが提供されています。
REST APIとは何ですか?
HTTPやHTTPSを利用してデータをやり取りするWeb APIの一種です。現在では最も広く利用されているAPI形式で、JSONを使った通信が一般的です。
まとめ
APIとWebサービスは密接に関係していますが、APIはシステム同士が機能やデータを利用するための窓口、Webサービスは利用者へ機能を提供するサービスそのものという違いがあります。
現在のWebサービスの多くは、画面操作だけでなくAPIによるデータ連携を前提に設計されています。IT業務では、Webサービスの画面が正常に表示されてもAPIでエラーが発生していることがあるため、両者を区別して確認することが、障害調査やシステム連携を円滑に進めるポイントです。
