OKRとは?プログラマー・SEにも分かりやすく解説
OKRとは「Objectives and Key Results」の略で、日本語では「目標と主要な成果」と訳されます。
GoogleをはじめとするIT企業で導入されて有名になった目標管理手法で、現在ではスタートアップから大企業まで幅広く使われています。
簡単に言うと、
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Objective(目標):達成したい状態・方向性
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Key Results(主要な成果):目標達成を測るための具体的で数値化された指標
この2つをセットで定義するのがOKRです。
プログラマーやSEの現場では、「頑張っているはずなのに評価されない」「何を優先すべきか分からない」といった悩みがよくあります。OKRは、そうした曖昧な努力を“見える成果”に変える仕組みだと言えます。
KPIとの違いを理解するとOKRが一気に分かりやすくなる
似た言葉にKPIがありますが、OKRとKPIは役割が異なります。
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KPI:業務の状態を測るための指標(例:バグ件数、レビュー数)
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OKR:成長や変化を起こすための目標管理
私の経験上、KPIだけを追い続けると「数値を守ること」が目的になりがちです。一方でOKRは、「本当に目指したい姿は何か」を先に定義するため、チームの方向性がぶれにくくなります。
プログラマー・SE視点で見るOKRの基本構造
Objective(目標)の書き方
Objectiveは、定性的でワクワクする表現が理想です。
例:
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「ユーザーが安心して使えるシステムを提供する」
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「チーム全体の開発スピードを一段階引き上げる」
ここで重要なのは、数値を書かないことです。
「何を実現したいのか」に集中します。
Key Results(成果指標)の書き方
Key Resultsは、必ず測定可能な形で定義します。
例:
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本番障害件数を月5件以下に抑える
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CIのビルド時間を30%短縮する
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レビュー待ち時間の中央値を24時間以内にする
Objectiveが「方向」、Key Resultsが「距離メーター」の役割を果たします。
【体験談】私がOKRを知らずに失敗していた頃の話
私が以前所属していた開発チームでは、「品質向上」「スピード改善」といった目標は掲げていました。しかし、それが具体的に何を指すのかは曖昧でした。
その結果、
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各自が良かれと思って別方向の改善をする
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成果が見えず、評価面談で説明に困る
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結局「忙しかった」だけで終わる
という状態に陥っていました。
そこでチームにOKRを導入し、
Objective
「リリース後のトラブル対応に追われない開発体制を作る」
Key Results
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リリース後1週間以内の障害件数を0件にする
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自動テストカバレッジを60%以上にする
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デプロイ手順の手作業をゼロにする
と定義したところ、やるべきことの優先順位が明確になり、議論が建設的になりました。
OKRを知っていることで得られる具体的なメリット
1. 「何をやれば評価されるか」が明確になる
OKRがあると、「頑張っている感」ではなく「達成した成果」で話ができます。
これは評価面談や振り返りの場で非常に有利です。
2. タスクの取捨選択ができるようになる
「この作業はOKR達成に貢献するか?」という基準で判断できるため、無駄な作業を減らせます。
3. チーム内の認識ズレが減る
全員が同じObjectiveを見ているため、「それ、今やるべき?」という無駄な衝突が減りました。
プログラマー・SE向けOKRの実践ポイント
OKRは100%達成を目指さない
OKRは60〜70%達成できれば成功と言われています。
高めの目標を設定し、挑戦することが前提です。
個人OKRとチームOKRを分けて考える
最初から個人OKRを作ると負担になります。
まずはチームOKR → 慣れたら個人OKRの順がおすすめです。
【応用編】エンジニアの成長に効くOKR活用術
技術的負債をOKRに組み込む
例:
Objective
「将来の開発が楽になるコードベースを作る」
Key Results
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レガシーコード3モジュールをリファクタリング
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循環的複雑度の平均を20%削減
技術的負債は後回しにされがちですが、OKRに入れることで正式な優先事項になります。
学習目標をOKR化する
例:
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新技術でミニアプリを1つリリースする
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技術ブログを月2本公開する
インプットだけで終わらせず、アウトプットまで含めるのがポイントです。
まとめ:OKRはエンジニアの努力を正しく成果に変える
OKRは、単なる目標管理ツールではありません。
プログラマーやSEが、自分たちの仕事の価値を言語化し、成果として示すための武器です。
「忙しいのに評価されない」「方向性が見えない」と感じている方ほど、OKRは大きな助けになります。
ぜひ小さなチームOKRからでも試してみてください。
