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YAGNI原則とは?“作りすぎ”を防ぎ生産性を最大化する開発術を体験談つきで徹底解説

YAGNI原則とは?必要になるまで実装しないという強力な開発指針

プログラマーやシステムエンジニアの間でよく語られる原則のひとつに、**YAGNI(You Aren’t Gonna Need It)があります。
これは直訳すると「それ、結局必要にならないよ」という意味で、
“まだ使われるか分からない機能は作らない”**というシンプルかつ強力な指針です。

YAGNIはアジャイル開発やXP(エクストリーム・プログラミング)で特に重視される考え方で、以下のようなシーンで役立ちます。

つまりYAGNIは、実際に必要になるまでは機能追加や抽象化を行わないことで、ムダな工数や複雑性を排除する方法論なのです。


なぜ人はYAGNIに反する実装をしてしまうのか?

私自身も経験がありますが、開発者はどうしても未来の拡張を想定したくなります。

こうした“善意”が、結果的に機能の複雑化や納期遅延につながります。
YAGNIはその暴走を止め、「まず動くものを作る」という本質的な価値に立ち返らせてくれる考え方といえます。


【体験談】YAGNIを知らなかった頃にやらかした失敗

私がYAGNIを痛感したのは、とある社内ツールの開発でした。
最初に頼まれたのは「簡単なデータ入力フォーム」だけでしたが、私は先回りして以下のような機能を準備してしまいました。

しかし、実際に必要だったのは「入力してCSVで出力するだけ」という非常にシンプルな機能でした。
結果として、
・複雑な構造を理解するのに時間がかかり、保守性が低下
・将来の機能追加は一切来なかった
・リリースが遅れ、チームからも不評

という惨敗に終わりました。

後から思えば、必要になった時点で拡張すれば5分の1の工数で済んでいた案件でした。


YAGNIを実践することで得られる3つのメリット

1. 開発スピードが劇的に上がる

必要なものだけを作るので、工数が大幅にカットできます。
「仮に必要だったらどうする?」ではなく
「必要だと確定してから考える」
に切り替えることで、意思決定も早くなります。

2. コードがシンプルになり保守性が向上する

未来のために抽象化すると、現在のニーズに合わないコードが増えます。
YAGNIを意識すれば構造が必要以上に複雑にならず、理解しやすく修正もしやすいコードになります。

3. チーム内の認識齟齬が減る

「これって本当に今必要?」
を合言葉にすれば、仕様のブレも少なくなります。
特にレビュー時にYAGNIを基準にすると、議論の軸がぶれなくなり効果的です。


YAGNI原則を日常的に実践するための具体的な方法

● タスクの受け取り時に必ず“必要性の確定”を確認する

曖昧なら後回しにするのがYAGNIの基本です。

● “予防的抽象化”をやめる

たとえば

必要が生じたときにリファクタリングすれば十分間に合います。

● 小さく作ってすぐフィードバックを得る

YAGNIはアジャイルとの相性が抜群です。
小さく作り、小さく改善する流れを確立すると、自然とYAGNIが守られます。


【応用編】YAGNI + リファクタリングでさらに便利になる開発術

YAGNIは“後回し”ではなく“タイミングを適切にする”考え方です。
そのため、必要になった時点で以下をセットで行うと効果が最大化します。

1. 機能が増え始めたタイミングで抽象化する

最初はベタ書きでOK。
しかし似た処理が3つ以上出てきたら抽象化すると最も効率が良いです。

2. YAGNIを守りつつ技術的負債を定期的に返す

YAGNIを理由に荒いコードを放置すると逆に負債が溜まります。
スプリントの中でリファクタリング時間を確保すると効果的です。

3. チーム全体で“YAGNIチェックリスト”を活用する

このチェックがあるだけで無駄な実装は激減します。


まとめ:YAGNIは“怠惰”ではなく“生産性を最大化する技術”

YAGNI原則は、「余計なものを作らない」という一言に集約されます。
しかし実際には、

私自身、YAGNIを学んでからは機能の取捨選択が圧倒的にうまくなり、無用な作り込みで後悔することが激減しました。

これから開発効率を上げたい方や、複雑なプロジェクトで悩んでいる方は、ぜひYAGNI原則を日常の開発に取り入れてみてください。
きっと開発が驚くほど軽やかになるはずです。

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