通信とは?IT業務初心者向けに意味・仕組み・確認方法・通信できない場合の対処法をわかりやすく解説

通信とは?IT業務初心者向けに意味・仕組み・確認方法・通信できない場合の対処法をわかりやすく解説

結論
通信とは、パソコン、スマートフォン、サーバー、プリンターなどの機器同士が、ネットワークを通じてデータを送受信することです。Webサイトの閲覧、メール送信、共有フォルダーへのアクセス、オンライン会議などは、すべて通信によって成り立っています。通信できない場合は、影響範囲、物理接続、IPアドレス、DNS、ネットワーク、サーバーの順に確認すると、原因を効率よく切り分けられます。

通信とは

通信とは、離れた機器同士で情報をやり取りすることです。

IT分野では、文字、画像、音声、動画、ファイル、操作命令などをネットワーク経由で送ったり受け取ったりする処理を指します。

英語では「Communication」や「Data Communication」と表現されます。

通信が使われる場面

  • Webサイトを表示する
  • メールを送受信する
  • Microsoft Teamsで会議する
  • 共有フォルダーのファイルを開く
  • プリンターへ印刷データを送る
  • クラウドへファイルを同期する
  • 業務システムへログインする
  • リモートデスクトップで別端末を操作する

通信が重要な理由

現在のIT業務では、ほとんどの作業が通信を前提としています。

通信が正常でなければ、メール、共有フォルダー、クラウド、オンライン会議、社内システムなどを利用できません。

一方で、インターネットへ接続できても、特定のサーバーや業務システムとだけ通信できない場合があります。そのため、「通信できる・できない」だけでなく、「どこまでは通信できているか」を確認することが重要です。

通信の基本的な仕組み

通信では、送信元から送られたデータが、LAN、Wi-Fi、ルーター、インターネット、サーバーなどを経由して接続先へ届きます。

  1. 端末が送信するデータを準備する
  2. データを小さな単位に分ける
  3. ネットワークへ送信する
  4. ルーターなどが接続先まで中継する
  5. 接続先がデータを受信する
  6. 必要に応じて応答を返す

送信と受信の違い

項目 意味 例
送信 自分の端末からデータを送る メール送信、ファイルのアップロード
受信 相手やサーバーからデータを受け取る メール受信、ファイルのダウンロード
送受信 データを双方向でやり取りする Web閲覧、オンライン会議

有線通信と無線通信の違い

項目 有線通信 無線通信
接続方法 LANケーブルなどを使う 電波を使う
代表例 有線LAN、USB Wi-Fi、Bluetooth
安定性 比較的安定している 距離や障害物の影響を受けやすい
移動性 低い 高い

通信と接続の違い

項目 通信 接続
意味 データをやり取りすること 機器やネットワークにつながること
状態 実際にデータが流れている 通信できる準備ができている
例 サーバーからファイルを受信する Wi-Fiへ接続する

接続済みと表示されていても、必ず通信できるとは限りません。Wi-Fi機器までは接続できていても、インターネット回線やDNSに問題がある場合があります。

通信で使われる主なIT用語

用語 意味
IPアドレス ネットワーク上の機器を識別する住所
DNS サーバー名をIPアドレスへ変換する仕組み
DHCP IPアドレスを自動配布する仕組み
ルーター 異なるネットワーク間の通信を中継する機器
プロトコル 通信時の決まりごと
ポート番号 通信先のサービスを識別する番号
パケット ネットワーク上で送られる小さなデータ単位

通信速度とは

通信速度とは、一定時間にどれだけのデータを送受信できるかを示す値です。

一般的にはMbps(Megabits per second)やGbps(Gigabits per second)で表します。

通信速度が遅いと、Webページの表示、ファイル転送、オンライン会議などに時間がかかります。

通信速度が遅くなる主な原因

  • Wi-Fiの電波が弱い
  • 複数端末で回線を使っている
  • 大容量ファイルを送受信している
  • VPNを経由している
  • ネットワーク機器に負荷がかかっている
  • サーバー側の処理が遅い
  • 端末のCPUやメモリ使用率が高い

通信できない場合に最初に確認する順序

  1. 何と通信できないのか確認する
  2. 1台だけか複数台で発生しているか確認する
  3. Wi-Fi、LANケーブル、機内モードを確認する
  4. 別のWebサイトやサーバーへ通信できるか確認する
  5. IPアドレスとデフォルトゲートウェイを確認する
  6. DNSの名前解決を確認する
  7. VPN、認証、アクセス権を確認する
  8. サーバーやネットワーク機器の状態を確認する

影響範囲から原因を切り分ける

発生状況 疑う場所
1台だけ通信できない 端末、ケーブル、Wi-Fi、Windows設定
同じ部署の複数台で発生 スイッチ、アクセスポイント、配線
全社で発生 ルーター、回線、DNS、認証基盤
特定サイトだけ開けない 対象サーバー、DNS、プロキシ
特定ユーザーだけ利用できない アカウント、権限、認証

Windows 11で通信状態を確認する方法

  1. 画面右下のネットワークアイコンをクリックする
  2. Wi-Fiまたは有線LANの状態を確認する
  3. 「接続済み」や「インターネットアクセス」と表示されているか確認する
  4. Windowsキー+Iで「設定」を開く
  5. 「ネットワークとインターネット」を確認する

通信確認で使えるショートカットキー

キー 用途
Windows+A クイック設定を開く
Windows+I Windowsの設定を開く
Windows+R 「ファイル名を指定して実行」を開く
Windows+X 管理メニューを開く
Ctrl+Shift+Esc タスクマネージャーを開く

コマンドプロンプトで通信を確認する方法

  • ipconfig /all:IPアドレス、DNS、DHCP情報を確認する
  • ping:接続先との通信を確認する
  • nslookup:DNS(Domain Name System)の名前解決を確認する
  • tracert:接続先までの通信経路を確認する
  • netstat:現在の通信状態を確認する

確認結果の見方

結果 考えられる状態
IPアドレスが169.254から始まる DHCPからIPアドレスを取得できていない可能性
デフォルトゲートウェイへpingできない 端末からネットワーク機器までの問題
IPアドレスでは通信でき、名前では失敗する DNSの問題
特定サーバーだけ応答しない サーバー、通信経路、ファイアウォールの問題
応答時間が非常に長い ネットワーク遅延や負荷の可能性

PowerShellで確認できる内容

  • Get-NetAdapter:ネットワークアダプターの状態を確認する
  • Get-NetIPConfiguration:IPアドレスやゲートウェイを確認する
  • Test-NetConnection:接続先やポートへの通信を確認する
  • Get-DnsClientServerAddress:DNSサーバー設定を確認する
  • Get-NetTCPConnection:TCP通信の状態を確認する

設定変更を伴うコマンドは、社内手順や管理者の指示に従って実行してください。

通信中かどうかをタスクマネージャーで確認する方法

  1. Ctrl+Shift+Escを押す
  2. 「プロセス」を開く
  3. 対象アプリを確認する
  4. ネットワーク列の使用量を確認する
  5. 「パフォーマンス」からWi-Fiまたはイーサネットを確認する

通信量が変化している場合は、ファイル転送やデータ取得が続いている可能性があります。

イベントビューアーで確認する方法

  1. Windowsキー+Xを押す
  2. 「イベントビューアー」を開く
  3. 「Windowsログ」を展開する
  4. 「システム」または「アプリケーション」を開く
  5. 問題発生時刻付近のエラーや警告を確認する
  6. イベントID、ソース、時刻を記録する

ネットワークアダプター、DHCP、DNS、VPN、認証、アプリケーションに関するエラーが残る場合があります。

原因の切り分け

確認対象 確認内容
ユーザー側 誤操作、機内モード、VPN、接続先を確認する
Windows側 アダプター、IP設定、サービスを確認する
ネットワーク側 ケーブル、Wi-Fi、スイッチ、ルーターを確認する
DHCP側 IPアドレスを正しく配布できているか確認する
DNS側 接続先名を正しく名前解決できるか確認する
Active Directory側 認証、アカウント、所属グループを確認する
権限側 接続先サービスへのアクセス権を確認する
サーバー側 サービス停止、負荷、障害を確認する

業務でよくあるトラブル

  • Wi-Fiへ接続済みなのに通信できない
  • VPN切断により社内システムへ接続できない
  • DNS障害でサーバー名を解決できない
  • 通信速度が遅くオンライン会議が途切れる
  • ファイアウォールにより特定ポートが遮断される
  • アクセス権不足を通信障害と勘違いする
  • 複数端末で発生しているのに端末だけ再起動する

実際のIT現場での利用例

ユーザーから「共有フォルダーと通信できない」と問い合わせを受けました。インターネットは利用できましたが、サーバー名へのpingとnslookupが失敗していました。

IPアドレスを直接指定すると通信できたため、ネットワーク全体ではなくDNSの名前解決が原因と判断できました。

このように、IPアドレスと名前の両方で確認すると、通信とDNSの問題を切り分けやすくなります。

筆者の失敗談

新人時代、ネットワークアイコンが接続済みだったため、通信に問題はないと判断したことがあります。しかし実際には、デフォルトゲートウェイより先へ通信できていませんでした。

それ以来、接続済み表示だけで判断せず、ゲートウェイ、サーバー、DNSの順に通信確認を行っています。

初心者がやりがちなミス

  • 接続済みと通信可能を同じ意味だと思う
  • 影響範囲を確認しない
  • DNSと通信障害を混同する
  • 自己判断でIPアドレスを変更する
  • pingが失敗しただけでサーバー停止と判断する
  • エラーメッセージや発生時刻を記録しない

注意点

  • 最初に影響範囲を確認する
  • 接続済み表示だけで正常と判断しない
  • 固定IPアドレスやDNSを勝手に変更しない
  • ファイアウォールやセキュリティソフトを安易に無効化しない
  • ネットワーク機器やサーバーを自己判断で再起動しない
  • 通信確認の結果と発生時刻を記録する

上司へ報告するポイント

  • 通信できない対象
  • 発生日時
  • 影響を受けるユーザー数
  • Wi-Fi、有線LAN、VPNの利用状況
  • 表示されたエラーメッセージ
  • IPアドレス、ゲートウェイ、DNSの確認結果
  • 別端末や別ユーザーでの再現有無
  • 実施した対応内容

エスカレーションするタイミング

  • 複数端末で同時に通信できない
  • 部署全体や全社へ影響している
  • DNS、DHCP、認証基盤の障害が疑われる
  • ネットワーク機器やサーバーが停止している
  • セキュリティ事故の可能性がある
  • 管理者権限や設定変更が必要
  • 再接続や再起動でも改善しない

新人が覚えておくべきポイント

  • 通信は機器同士でデータを送受信すること
  • 接続済みでも通信できない場合がある
  • 影響範囲、物理接続、IP、DNS、サーバーの順に確認する
  • IPアドレスと名前の両方で通信を確認する
  • 複数ユーザーへ影響する場合は早めに報告する

関連するIT用語

  • 接続
  • 切断
  • 送信
  • 受信
  • ネットワーク
  • IPアドレス
  • DNS(Domain Name System)
  • DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
  • パケット
  • プロトコル

よくある質問(FAQ)

通信とは何ですか?

パソコン、スマートフォン、サーバーなどの機器同士で、ネットワークを通じてデータを送受信することです。

接続済みなのに通信できないのはなぜですか?

Wi-FiやLANまでは接続できていても、ルーター、DNS、VPN、ファイアウォール、サーバーに問題がある可能性があります。

通信できない場合は最初に何を確認しますか?

影響範囲、Wi-FiやLANケーブル、機内モード、別サイトへの通信を確認します。その後、IPアドレス、ゲートウェイ、DNSを確認します。

pingが失敗したら通信障害ですか?

必ずしも通信障害とは限りません。接続先がpingへの応答を禁止している場合もあります。WebアクセスやTest-NetConnectionなど、別の方法でも確認してください。

通信が遅い場合は何を確認しますか?

Wi-Fiの電波、VPN、ネットワーク使用率、ファイルサイズ、他端末の状況、サーバー負荷を確認します。

まとめ

通信とは、パソコン、サーバー、プリンターなどの機器同士がネットワークを通じてデータを送受信することです。Web閲覧、メール、共有フォルダー、クラウド、オンライン会議など、IT業務の多くは通信によって成り立っています。

通信できない場合は、影響範囲、物理接続、Windows設定、IPアドレス、DNS、認証、サーバーの順に確認すると効率的です。複数ユーザーへ影響している場合や、ネットワーク基盤の障害が疑われる場合は、自己判断で設定変更せず、記録を残して早めに担当者へエスカレーションしましょう。

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