WANとLANの違いとは?初心者向けに役割・仕組み・使い分けをわかりやすく解説
結論として、LANは限られた範囲のネットワーク、WANは離れた場所同士をつなぐ広域ネットワークです。
会社のオフィス内でパソコンやプリンターを接続するのがLAN(Local Area Network)、本社と支社を接続したり、インターネットを利用したりするのがWAN(Wide Area Network)です。
IT業務ではネットワーク障害が発生した際に、「LANの問題なのか」「WANの問題なのか」を切り分ける場面が非常に多くあります。そのため、両者の違いを理解しておくことは社内SEやヘルプデスクにとって基本知識です。
LANとは
LAN(Local Area Network)の概要
LANは、家庭やオフィス、学校など限られた範囲で利用されるネットワークです。
同じ建物やフロア内のパソコン、プリンター、サーバーなどを接続し、データ共有や通信を行います。
LANで接続される機器
- パソコン
- プリンター
- NAS
- ファイルサーバー
- Wi-Fiアクセスポイント
- ネットワークスイッチ
WANとは
WAN(Wide Area Network)の概要
WANは、離れた地域や拠点同士を接続する広域ネットワークです。
通信事業者の回線を利用して、本社と支社を接続したり、インターネットへ接続したりします。
WANの利用例
- 本社と支社をVPNで接続する
- クラウドサービスを利用する
- インターネットへ接続する
- データセンターへ接続する
LANとWANの違い
| 項目 | LAN | WAN |
|---|---|---|
| 正式名称 | Local Area Network | Wide Area Network |
| 通信範囲 | 建物・オフィス・家庭など | 都市・全国・世界規模 |
| 通信速度 | 高速 | LANより遅くなる場合がある |
| 管理者 | 企業・学校など | 通信事業者や企業 |
| 通信費用 | 比較的安い | 回線利用料が必要になることが多い |
| 主な機器 | スイッチ・Wi-Fi | ルーター・VPN装置・回線終端装置 |
なぜLANとWANを分けるのか
LANは近距離通信に適しており、高速かつ安定した通信ができます。
一方で、遠く離れた拠点同士を直接LANで接続することはできません。
そのため、通信事業者の回線を利用したWANを経由して拠点間通信を実現しています。
IT現場でよくある利用例
LANの利用例
- 社内ファイルサーバーへアクセスする
- 共有プリンターを利用する
- 社内チャットを利用する
- NASへデータ保存する
WANの利用例
- 本社と支社でファイル共有する
- Microsoft 365を利用する
- クラウドシステムへ接続する
- VPN経由で在宅勤務する
初心者が混乱しやすいポイント
インターネット=WAN
インターネットは代表的なWANです。
ただし、WANはインターネットだけではなく、企業専用線やVPNなども含まれます。
Wi-FiはLANの一種
Wi-Fiは無線LAN(Wireless LAN)です。
インターネット接続に使われることが多いためWANと混同されますが、Wi-Fi自体はLANに分類されます。
ネットワーク機器の役割
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| スイッチ | LAN内で機器同士を接続する |
| ルーター | LANとWANを接続する |
| Wi-Fiアクセスポイント | 無線LANを提供する |
| ONU | 光回線を利用できる状態にする |
| VPN装置 | 安全なWAN通信を行う |
業務でよくあるトラブル
社内だけ通信できない
考えられる原因
- LANケーブル断線
- スイッチ障害
- IPアドレス設定ミス
- ネットワークアダプター異常
インターネットだけ接続できない
考えられる原因
- ルーター障害
- ONU障害
- 回線障害
- DNS障害
- ISP障害
本社と支社だけ通信できない
考えられる原因
- VPN障害
- WAN回線障害
- ルーター設定変更
- 通信事業者の障害
障害発生時の切り分け
| 症状 | 確認ポイント |
|---|---|
| 自分だけ通信できない | LANケーブル・Wi-Fi・IPアドレス |
| 部署全体で通信できない | スイッチ障害 |
| 社内通信はできるがインターネット不可 | ルーター・ONU・回線 |
| 支社だけ接続できない | VPN・WAN回線 |
確認する順番
- LANケーブルやWi-Fiの接続を確認する
- IPアドレスを確認する
- デフォルトゲートウェイを確認する
- 社内サーバーへpingを実行する
- ルーターへpingを実行する
- インターネットへ接続できるか確認する
- VPNの接続状況を確認する
- 回線障害情報を確認する
GUIで確認する方法
- 設定を開く
- ネットワークとインターネットを選択する
- 接続状態を確認する
- IPアドレスとデフォルトゲートウェイを確認する
コマンドプロンプトで確認する方法
IPアドレス確認
ipconfig
詳細情報確認
ipconfig /all
通信確認
ping 192.168.1.1
ルート情報確認
route print
通信経路確認
tracert www.google.com
PowerShellで確認する方法
ネットワークアダプター確認
Get-NetAdapter
IPアドレス確認
Get-NetIPAddress
接続状態確認
Test-NetConnection www.google.com
確認結果の見方
- IPアドレスが取得されているか
- デフォルトゲートウェイが設定されているか
- ルーターへpingが成功するか
- 社内サーバーへ接続できるか
- インターネットへ接続できるか
イベントビューアーで確認できる内容
ネットワーク障害が疑われる場合は、イベントビューアーで次のログを確認します。
- Windows ログ
- システム
- DHCP Clientのエラー
- TCP/IP関連のエラー
- ネットワークアダプター関連のエラー
現場での経験談
支社から「社内システムが使えない」という問い合わせがありました。社内サーバーにもインターネットにも接続できないため、最初はPCの故障を疑いました。
しかし、同じ支社の複数人で同じ現象が発生していることが判明し、VPN装置を確認したところ、WAN回線側で障害が発生していました。
一方、社内で1台だけ通信できない場合はLANケーブルの抜けやIPアドレスの設定ミスであることが多く、まず影響範囲を確認することの重要性を実感しました。
初心者がやりがちなミス
- Wi-Fiとインターネットを同じ意味だと思ってしまう
- LAN障害とWAN障害を区別せずに対応する
- 自分のPCだけなのか全体障害なのか確認しない
- ルーターやスイッチの役割を混同する
新人が覚えておくべきポイント
- LANは社内や家庭などの近距離ネットワーク
- WANは離れた拠点を接続する広域ネットワーク
- Wi-Fiは無線LANの一種
- ルーターはLANとWANを接続する機器
- 障害対応では影響範囲の確認が最優先
上司へ報告するポイント
- 発生日時
- 影響範囲(1台のみ・部署・全社・支社)
- 社内通信の可否
- インターネット接続の可否
- VPN接続状況
- 実施した確認内容
- pingやtracertの結果
エスカレーションするタイミング
- 複数ユーザーで同じ障害が発生している
- スイッチやルーターの故障が疑われる
- VPN装置の設定変更が必要
- 通信事業者の回線障害が疑われる
- ネットワーク機器の再起動や設定変更が必要
関連するIT用語
- VPN(Virtual Private Network)
- Wi-Fi(Wireless LAN)
- ルーター
- ネットワークスイッチ
- ONU(Optical Network Unit)
- IPアドレス
- MACアドレス
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
- DNS(Domain Name System)
- デフォルトゲートウェイ
よくある質問(FAQ)
LANが使えればインターネットも利用できますか?
必ずしも利用できません。LAN内で通信できても、ルーターやWAN回線に問題があるとインターネットへ接続できないことがあります。
Wi-FiはLANですか、それともWANですか?
Wi-Fiは無線LANです。Wi-Fiを通じてインターネットへ接続する場合でも、Wi-Fi自体はLANに分類されます。
WANはインターネットだけを指しますか?
いいえ。企業専用線やVPNなど、広域で拠点同士を接続するネットワークもWANに含まれます。
障害対応では最初に何を確認すればよいですか?
まずは影響範囲を確認しましょう。自分だけの問題なのか、部署全体なのか、全社や支社も含めた障害なのかを把握することで、LAN側・WAN側のどちらに原因があるか切り分けやすくなります。
まとめ
LANはオフィスや家庭など限られた範囲で利用されるネットワーク、WANは離れた拠点やインターネットを接続する広域ネットワークです。
IT業務では、通信トラブルが発生した際に「LANの問題か」「WANの問題か」を切り分けることが重要です。影響範囲を確認し、LANケーブル・IPアドレス・ルーター・VPN・回線の順に確認する習慣を身に付けることで、障害対応を効率的に進められます。
新人やIT業務初心者は、「LANは社内」「WANは社外や拠点間」「Wi-Fiは無線LAN」「ルーターはLANとWANをつなぐ機器」という4つのポイントを覚えておくと、ネットワークの基本を理解しやすくなります。

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