【初心者向け】Google Cloud Storageとは?ファイルをクラウドに保存する仕組みをやさしく解説
Google Cloudを学び始めると、データの保存先としてCloud Storage(クラウドストレージ)というサービスを目にすることがあります。
「Cloud Storageには何を保存できるの?」
「Googleドライブとは何が違うの?」
「Cloud SQLやFirestoreとはどう使い分けるの?」
このような疑問を持つIT業務初心者の方は少なくありません。
Google Cloud Storageは、画像、動画、PDF、バックアップファイル、ログなどのデータをクラウド上に保存できるGoogle Cloudのオブジェクトストレージサービスです。
この記事では、Cloud Storageの基本的な仕組みやバケットとオブジェクトの意味、実際の業務での使われ方、他のサービスとの違いを初心者向けに分かりやすく解説します。
- Google Cloud Storageとは?
- オブジェクトストレージとは?
- Cloud Storageを身近な例で考えてみよう
- バケットとは?
- オブジェクトとは?
- フォルダは本当に存在する?
- Cloud Storageでできること
- 実際の業務ではどのように使われる?
- Cloud RunとCloud Storageを連携する例
- Cloud Storageのストレージクラスとは?
- ロケーションとは?
- Cloud Storageのアクセス権限
- 署名付きURLとは?
- オブジェクトのライフサイクル管理とは?
- オブジェクトのバージョニングとは?
- Cloud StorageとGoogleドライブの違い
- Cloud StorageとFirestoreの違い
- Cloud StorageとCloud SQLの違い
- Cloud StorageとPersistent Diskの違い
- Cloud Storageの操作方法
- Cloud Storageを利用するメリット
- Cloud Storageを利用するときの注意点
- よくある質問
- IT業務初心者が覚えておきたいポイント
- 関連して覚えておきたいGoogle Cloudサービス
- まとめ
Google Cloud Storageとは?
Google Cloud Storageは、Google Cloudが提供するマネージド型のオブジェクトストレージサービスです。
簡単にいうと、インターネット上に用意された大容量のファイル保管場所です。
例えば、次のようなデータを保存できます。
- 画像ファイル
- 動画ファイル
- PDFやWordなどの文書
- システムのバックアップ
- ログファイル
- 機械学習で使用するデータ
- WebサイトのHTML、CSS、JavaScript
Googleが基盤となる設備を管理するため、利用者が物理的なストレージ機器を用意する必要はありません。
オブジェクトストレージとは?
Cloud Storageは、オブジェクトストレージに分類されます。
オブジェクトストレージとは、ファイルと、そのファイルに関する情報を一つの「オブジェクト」として保存する方式です。
オブジェクトには、主に次の情報が含まれます。
- ファイル本体
- ファイル名
- ファイルの種類
- 作成日時や更新日時
- 保存場所を示す情報
- 利用者が設定したメタデータ
画像や動画、バックアップなど、大量のファイルを保存する用途に向いています。
Cloud Storageを身近な例で考えてみよう
Cloud Storageは、貸し倉庫のようなサービスです。
貸し倉庫では、荷物を置くためのスペースを借り、必要なときに荷物を出し入れします。
Cloud Storageでも同じように、
- 保存場所を作る
- ファイルをアップロードする
- 必要なときにファイルを取得する
- 不要になったファイルを削除する
という操作を行います。
貸し倉庫に相当する保存場所を、Cloud Storageではバケットと呼びます。
バケットとは?
バケットとは、Cloud Storageでオブジェクトを保存するための入れ物です。
Cloud Storageへファイルを保存する場合は、最初にバケットを作成し、その中へファイルをアップロードします。
会社のGoogle Cloudプロジェクト └─ バケット ├─ image01.jpg ├─ manual.pdf ├─ backup.zip └─ access-log.txt
この例では、バケットの中に画像、PDF、バックアップ、ログが保存されています。
バケット作成時に決める主な項目
- バケット名
- 保存するロケーション
- ストレージクラス
- アクセス制御方法
- データ保護に関する設定
バケット名には、Cloud Storage全体で一意になる名前が必要です。
オブジェクトとは?
オブジェクトとは、バケット内に保存されたファイルのことです。
例えば、次のようなものがオブジェクトに該当します。
- photo.jpg
- movie.mp4
- document.pdf
- backup.zip
- system.log
Cloud Storageでは、パソコンのファイルシステムとまったく同じ仕組みでデータを管理するわけではありません。
基本的には、バケットの中にオブジェクトが保存されるという構造です。
フォルダは本当に存在する?
Cloud Storageの画面では、一般的なパソコンと同じようにフォルダが表示されることがあります。
images/
products/
item001.jpg
ただし、Cloud Storageでは、オブジェクト名に含まれる区切り文字を利用して、フォルダのように見せている場合があります。
例えば、次の文字列全体がオブジェクト名として扱われます。
images/products/item001.jpg
IT業務では、見た目はフォルダでも、一般的なファイルサーバーのフォルダとは仕組みが異なることを理解しておきましょう。
Cloud Storageでできること
Cloud Storageでは、主に次のことができます。
- ファイルのアップロード
- ファイルのダウンロード
- ファイルの削除
- ファイルのコピーや移動
- アクセス権限の設定
- ファイルの世代管理
- 保存期間に応じた自動削除
- バックアップデータの保存
- Webサイト用ファイルの保存
- 他のGoogle Cloudサービスとの連携
実際の業務ではどのように使われる?
Webアプリに投稿された画像を保存する
ユーザーがWebアプリへプロフィール画像を登録する場合、次のような流れでCloud Storageを利用できます。
- ユーザーが画像をアップロードする
- アプリケーションが画像を受け取る
- 画像をCloud Storageへ保存する
- 保存した画像の情報をデータベースへ登録する
- 必要なときにCloud Storageから画像を取得する
システムのバックアップを保存する
データベースや業務システムのバックアップファイルを、Cloud Storageへ定期的に保存することもあります。
バックアップを別の場所に保管することで、サーバー障害や誤操作に備えられます。
ログファイルを保存する
システムが出力したログをCloud Storageへ集め、あとから調査や分析に利用する場合があります。
静的なWebコンテンツを保存する
HTML、CSS、JavaScript、画像など、処理によって内容が変化しないファイルの保存先として利用されることもあります。
Cloud RunとCloud Storageを連携する例
Cloud RunでWebアプリを実行し、利用者がアップロードした画像をCloud Storageへ保存する構成があります。
利用者 ↓ Cloud Run ↓ Cloud Storage
それぞれの役割は次のとおりです。
| サービス | 役割 |
|---|---|
| Cloud Run | アプリケーションやAPIを実行する |
| Cloud Storage | 画像や文書などのファイルを保存する |
Cloud Runのインスタンス内へファイルを永続的に保存するのではなく、Cloud Storageなどの外部サービスへ保存する構成が一般的です。
Cloud Storageのストレージクラスとは?
Cloud Storageには、データを読み出す頻度に応じた複数のストレージクラスがあります。
| ストレージクラス | 向いている用途 |
|---|---|
| Standard Storage | 頻繁に読み書きするデータ |
| Nearline Storage | 月に1回程度の利用を想定するデータ |
| Coldline Storage | 四半期に1回程度の利用を想定するデータ |
| Archive Storage | 長期保存を目的とし、ほとんど読み出さないデータ |
頻繁に利用する画像と、長期間保存するバックアップでは、適したストレージクラスが異なります。
保存料金だけでなく、データの読み出し料金や最低保存期間なども考慮して選択する必要があります。
ロケーションとは?
バケットを作成するときは、データを保存するロケーションを選択します。
代表的なロケーションの考え方には、次のようなものがあります。
- 特定のリージョンへ保存する
- 複数のリージョンにまたがって保存する
- 2つのリージョンを組み合わせて保存する
ロケーションを選ぶときは、利用者との距離、可用性、料金、法令や社内ルールなどを考慮します。
一度バケットを作成したあとに簡単には変更できない項目もあるため、業務では事前の設計が重要です。
Cloud Storageのアクセス権限
Cloud Storageへ保存したデータは、誰でも自由に見られる状態にするのではなく、適切にアクセス権限を設定する必要があります。
アクセス権限の管理には、主にIAM(Identity and Access Management)を利用します。
例えば、次のような権限を設定できます。
- ファイルを閲覧できる
- ファイルをアップロードできる
- ファイルを削除できる
- バケットの設定を変更できる
業務に必要な権限だけを与える最小権限の原則が重要です。
署名付きURLとは?
非公開のファイルを一定時間だけ特定の利用者へ公開したい場合、署名付きURLを使用する方法があります。
例えば、次のような用途があります。
- 購入者だけがファイルをダウンロードする
- 一定時間だけ請求書を閲覧する
- 利用者が直接画像をアップロードする
- 期限付きで動画を配信する
URLに有効期限を設定できるため、バケット全体を一般公開せずにファイルを提供できます。
オブジェクトのライフサイクル管理とは?
ライフサイクル管理とは、設定した条件に基づいてオブジェクトを自動的に管理する仕組みです。
例えば、次のようなルールを設定できます。
- 30日経過したログを削除する
- 一定期間経過したデータを低料金のストレージクラスへ変更する
- 古い世代のファイルを自動削除する
不要なデータを自動的に整理できるため、管理作業や保存コストの削減に役立ちます。
オブジェクトのバージョニングとは?
オブジェクトのバージョニングを有効にすると、同じ名前のファイルを上書きまたは削除した場合でも、古い世代を残せます。
例えば、誤って重要なファイルを上書きした場合に、以前の世代から復元できる可能性があります。
ただし、古い世代も保存容量を使用するため、ライフサイクル管理と組み合わせて整理することが大切です。
Cloud StorageとGoogleドライブの違い
| 項目 | Cloud Storage | Googleドライブ |
|---|---|---|
| 主な利用者 | 開発者・システム管理者 | 一般利用者・会社員 |
| 主な用途 | システムやアプリのデータ保存 | 文書の保存や共同作業 |
| 操作方法 | 管理画面、API、コマンドなど | ブラウザーや専用アプリ |
| アプリとの連携 | システム開発向け | 人によるファイル管理向け |
Cloud Storageはシステムから利用するデータ保存先で、Googleドライブは人が日常的にファイルを管理するサービスと考えると分かりやすいでしょう。
Cloud StorageとFirestoreの違い
| 項目 | Cloud Storage | Cloud Firestore |
|---|---|---|
| 保存するもの | 画像、動画、PDFなどのファイル | ユーザー情報や商品情報などのデータ |
| データ形式 | オブジェクト | ドキュメント |
| 主な用途 | ファイル保存 | アプリケーションデータの管理 |
例えばプロフィール機能では、画像本体をCloud Storageへ保存し、画像のURLやユーザー名をFirestoreへ保存する構成があります。
Cloud StorageとCloud SQLの違い
| 項目 | Cloud Storage | Cloud SQL |
|---|---|---|
| サービスの種類 | オブジェクトストレージ | リレーショナルデータベース |
| 主な保存対象 | ファイル | 表形式の業務データ |
| SQL | 使用しない | 使用する |
| 向いている用途 | 画像、動画、バックアップ | 顧客、注文、在庫などの管理 |
Cloud Storageはファイルの保管場所であり、Cloud SQLはデータを表形式で管理・検索するデータベースです。
Cloud StorageとPersistent Diskの違い
| 項目 | Cloud Storage | Persistent Disk |
|---|---|---|
| 種類 | オブジェクトストレージ | ブロックストレージ |
| 主な利用方法 | APIなどを使ってアクセスする | 仮想マシンのディスクとして接続する |
| 主な用途 | ファイルやバックアップの保存 | OSやアプリケーションデータの保存 |
Compute Engineの仮想マシンで使用するディスクが必要ならPersistent Disk、アプリケーションから画像やバックアップを保存したいならCloud Storageが候補になります。
Cloud Storageの操作方法
Cloud Storageは、複数の方法で操作できます。
- Google Cloudコンソール
- Google Cloud CLI
- プログラミング言語別のクライアントライブラリ
- REST API
- Terraform
初心者はGoogle Cloudコンソールから始め、業務に慣れてきたらコマンドやプログラムからの操作を学ぶとよいでしょう。
Cloud Storageを利用するメリット
- 物理的なストレージを用意する必要がない
- 大量のファイルを保存できる
- 必要に応じて容量を拡張できる
- Google Cloudの他サービスと連携しやすい
- アクセス権限を細かく管理できる
- ライフサイクル管理によってデータを自動整理できる
- バックアップや長期保存にも利用できる
Cloud Storageを利用するときの注意点
誤って一般公開しない
個人情報や社内資料を保存したバケットを一般公開すると、情報漏えいにつながる可能性があります。
公開が必要なファイル以外は、原則として非公開で管理しましょう。
権限を付けすぎない
閲覧だけでよい利用者へ削除権限まで与えると、誤操作によってファイルが消される可能性があります。
利用者やサービスアカウントには、必要最低限の権限を付与します。
通信料金や操作料金も確認する
Cloud Storageでは、保存容量だけでなく、データの読み書きや外部への転送などによって料金が発生する場合があります。
特に大容量ファイルを頻繁にダウンロードするシステムでは、事前に料金を確認することが重要です。
ストレージクラスを用途に合わせる
料金が安いという理由だけでアーカイブ向けのクラスを選ぶと、頻繁な読み出しによって想定外の料金が発生する場合があります。
データをどの程度の頻度で利用するかを考えて選択しましょう。
削除対策を検討する
重要なデータでは、バージョニング、保持ポリシー、削除防止、バックアップなどの対策を検討します。
よくある質問
Cloud Storageはファイルサーバーとして使えますか?
ファイルを保存することはできますが、一般的な社内ファイルサーバーと同じ仕組みではありません。
複数の利用者がフォルダを開き、Officeファイルを直接編集するといった用途では、別のサービスが適している場合があります。
Cloud Storageにデータベースを保存できますか?
データベースのバックアップファイルを保存することはできます。
ただし、Cloud Storage自体はCloud SQLやFirestoreのようなデータベースサービスではありません。
Cloud StorageからWebサイトを公開できますか?
HTMLや画像などの静的ファイルを保存して配信する用途に利用できます。
ただし、独自ドメインやHTTPS、キャッシュ、アクセス制御などの要件によっては、ロードバランサーやCDNなどを組み合わせます。
Cloud Storageには容量の上限がありますか?
大量のデータを保存できるよう設計されていますが、オブジェクトサイズや操作回数などには各種の上限や制約があります。
大容量データを扱う場合は、最新の公式ドキュメントを確認しましょう。
ファイルを上書きしたら元に戻せますか?
バージョニングなどのデータ保護機能を事前に設定していれば、以前の世代から復元できる場合があります。
設定していない場合は復元できない可能性があるため、重要なデータでは事前の対策が必要です。
IT業務初心者が覚えておきたいポイント
- Cloud StorageはGoogle Cloudのオブジェクトストレージ
- 画像、動画、PDF、バックアップなどを保存できる
- ファイルの保存先となる入れ物をバケットと呼ぶ
- バケット内のファイルをオブジェクトと呼ぶ
- アクセス権限はIAMなどで管理する
- 利用頻度に応じてストレージクラスを選択する
- Cloud RunやFirestoreなどと組み合わせて利用される
- 誤公開、誤削除、想定外の料金に注意する
関連して覚えておきたいGoogle Cloudサービス
- Cloud Run
- Cloud Functions
- Cloud Firestore
- Cloud SQL
- Compute Engine
- Persistent Disk
- Identity and Access Management(IAM)
- Cloud CDN
- Cloud Logging
- BigQuery
まとめ
Google Cloud Storageは、画像、動画、PDF、ログ、バックアップなどのファイルをクラウド上へ保存できるオブジェクトストレージサービスです。
保存場所となるバケットを作成し、その中へオブジェクトと呼ばれるファイルを保存します。
ストレージクラス、ロケーション、アクセス権限、ライフサイクル管理などを適切に設定することで、さまざまなシステムのファイル保存先として利用できます。
IT業務では、Cloud Runで動作するアプリケーションから画像を保存したり、システムのバックアップやログを保管したりする場面で利用されます。
まずは、「Cloud Storageは、システムが使用する画像や動画、バックアップなどのファイルを保存するGoogle Cloud上の保管場所」と理解しておきましょう。

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