NASの容量はどれくらい必要?将来を考えた容量設計を初心者向けに解説
結論として、NASの容量は現在必要な容量だけでなく、3~5年後のデータ増加も見越して設計することが重要です。導入時の価格だけで小容量を選ぶと、数年で容量不足になり、HDD交換やNASの買い替えが必要になる場合があります。
なぜ将来を考えて容量を決める必要があるのか
NASは一度導入すると、5年以上利用するケースも珍しくありません。
業務データは毎日増え続けるため、現在の使用容量だけを基準にすると、すぐに空き容量が不足してしまいます。
特に企業では次のようなデータが毎年増加します。
- Officeファイル
- PDF資料
- 写真・動画
- 設計データ
- バックアップデータ
- 監視カメラ映像
容量設計で考えるポイント
1. 現在の使用容量を確認する
まずは現在利用しているデータ容量を確認します。
Windowsでは共有フォルダやドライブのプロパティから使用容量を確認できます。
2. データの増加量を把握する
毎月どれくらいデータが増えているか確認しましょう。
例えば毎月100GB増える場合、1年間では約1.2TB増加します。
3. 利用年数を決める
NASは一般的に5年前後利用する企業が多いため、3~5年後を想定して容量を計算すると安心です。
容量設計の計算例
| 項目 | 容量 |
|---|---|
| 現在利用中 | 2TB |
| 年間増加量 | 1TB |
| 5年間の増加 | 5TB |
| 必要容量 | 約7TB |
| 推奨容量 | 8TB以上 |
将来の余裕も考え、必要容量より少し大きな容量を選ぶことをおすすめします。
空き容量を残す理由
NASは空き容量が少なくなると、読み書き性能が低下する場合があります。
また、バックアップやRAIDのリビルドにも十分な空き容量が必要です。
空き容量は20%程度を維持することが望ましいとされています。
RAIDを考慮した容量設計
RAIDでは、搭載したHDD容量すべてを利用できるわけではありません。
| RAID構成 | 利用できる容量(4TB×2台の場合) |
|---|---|
| RAID0 | 8TB |
| RAID1 | 4TB |
| JBOD | 8TB |
例えば、4TBのHDDを2台搭載してRAID1を構成すると、実際に利用できる容量は約4TBになります。
容量不足で起こるトラブル
- ファイルを保存できない
- バックアップが失敗する
- NASの動作が遅くなる
- アプリケーションが正常に動作しない
- メールやアラートが頻繁に表示される
初心者が混乱しやすいポイント
HDD容量=利用可能容量ではない
RAID構成やファイルシステムの管理領域があるため、購入したHDD容量すべてを利用できるわけではありません。
後から容量を増やせるとは限らない
NASによってはHDD交換や容量拡張が可能ですが、機種によって対応状況が異なります。
購入前に拡張方法を確認しておきましょう。
実際のIT現場での利用例
企業では導入時点で容量使用率を50~60%程度に抑え、将来のデータ増加に対応できるよう設計することがあります。
また、4ベイ以上のNASを選び、必要に応じてHDDを追加できる構成にすることで、長期間運用しやすくなります。
実際のIT現場での経験談
私が担当したNAS更新では、現在の使用容量だけを基準にすると4TBで十分という結果でした。
しかし、毎年写真やPDF、設計資料が増えていたため、3年後には容量不足になることが予想されました。
最終的に8TBのRAID1構成を採用したことで、容量不足を心配することなく運用でき、追加投資も抑えられました。
業務でよくあるトラブル
- 容量不足でバックアップが停止する
- 共有フォルダへ保存できない
- 容量警告を放置する
- 監視カメラ録画が停止する
- 急な容量追加が必要になる
原因の切り分け
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 使用容量 | 現在の利用率 |
| 空き容量 | 20%以上あるか |
| バックアップ | 保存先の容量不足 |
| 不要データ | 削除できるデータがないか |
| ログ | 容量警告の有無 |
確認する順番
- 現在の使用容量を確認する
- 空き容量を確認する
- データ増加量を確認する
- 不要ファイルを確認する
- バックアップ容量を確認する
- 将来の増加予測を行う
GUIでの確認方法
- NAS管理画面へログインする
- ストレージ管理を開く
- ボリューム使用率を確認する
- 空き容量を確認する
- 容量アラートを確認する
コマンドで確認できる内容
共有フォルダ確認
net use
接続している共有フォルダを確認できます。
通信確認
ping NASのIPアドレス
NASへ正常に接続できるか確認します。
PowerShell
Test-NetConnection NASのIPアドレス
ネットワーク接続を確認できます。
ログの確認方法
- ストレージログ
- 容量警告ログ
- バックアップログ
- システムログ
イベントビューアーで確認する場合
Windows側で共有フォルダへ保存できない場合は、「Windowsログ」→「システム」でSMBやディスク関連のイベントを確認し、PC側の問題ではないかも切り分けましょう。
初心者がやりがちなミス
- 現在の容量だけでNASを選ぶ
- RAIDによる容量減少を考慮しない
- 空き容量を使い切る
- 容量警告を放置する
- 将来の利用人数を考慮しない
業務で上司へ報告するポイント
- 現在の使用容量
- 空き容量
- 年間増加量
- 予想される容量不足時期
- 影響範囲
- 増設や買い替えの提案
エスカレーションするタイミング
- 空き容量が20%未満になった
- バックアップが容量不足で失敗した
- 業務データを保存できない
- 容量増設が必要になった
- NASの買い替えを検討する必要がある
応用知識
将来的に容量を増やす可能性がある場合は、2ベイよりも4ベイ以上のNASを選ぶ方法があります。最初は2台のHDDだけを搭載し、データ量が増えたタイミングでHDDを追加できる機種もあります。
また、メーカー独自の容量拡張機能を備えたNASでは、RAID構成を維持したままHDD容量を大きくできる場合があります。ただし、対応する機種や手順は異なるため、事前に確認しましょう。
関連するIT用語
- NAS
- RAID
- HDD
- SSD
- ボリューム
- バックアップ
- ストレージ
- 共有フォルダ
よくある質問(FAQ)
Q. NASはどれくらいの容量を選べばよいですか?
現在の使用容量に加え、3~5年分のデータ増加を見込んだ容量を選ぶことをおすすめします。
Q. 空き容量はどれくらい必要ですか?
性能低下やバックアップ失敗を防ぐため、20%程度の空き容量を維持すると安心です。
Q. 後から容量を増やせますか?
対応機種であればHDD交換や増設で容量を拡張できる場合があります。ただし、すべてのNASが対応しているわけではありません。
Q. RAID1なら容量は2倍になりますか?
いいえ。RAID1では同じデータを2台のHDDへ保存するため、利用できる容量は1台分になります。
まとめ
NASの容量設計では、現在のデータ量だけでなく、今後3~5年間のデータ増加や利用人数の変化も考慮することが重要です。
また、RAIDによる利用可能容量の減少や、空き容量を20%程度確保することも忘れてはいけません。将来を見据えて余裕のある容量を選び、必要に応じて拡張できるNASを導入することで、長期間安心して運用できるストレージ環境を構築できます。


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