ネットワークタップとは?初心者向けに役割・ミラーポートとの違い・使い方をわかりやすく解説

ネットワークタップとは?初心者向けに役割・ミラーポートとの違い・使い方をわかりやすく解説

ネットワークタップ(Network TAP)とは、通信を止めることなくネットワーク上を流れるパケットをコピーし、監視機器や解析機器へ送信するための機器です。

企業では、ネットワーク監視やセキュリティ対策、障害解析のために利用されます。普段の通信には影響を与えずに通信内容を取得できるため、重要なシステムでも安心して導入できます。

社内SEやインフラエンジニアの業務では、「通信内容をWiresharkで確認したい」「IDSやIPSへ通信を渡したい」「障害発生時にパケットを取得したい」といった場面でネットワークタップを利用することがあります。

ネットワークタップとは

ネットワークタップ(Network Test Access Point:TAP)は、通信経路の途中へ設置し、流れるパケットをそのまま複製して監視機器へ送信する装置です。

元の通信には基本的に影響を与えないため、本番環境でも利用しやすいという特徴があります。

項目 内容
正式名称 Network Test Access Point(TAP)
主な役割 通信の複製・監視
利用目的 監視・解析・セキュリティ
設置場所 通信経路の途中

どんな場面で使われるのか

ネットワークタップは、通信を詳しく調査する必要がある環境で利用されます。

  • ネットワーク障害の解析
  • 通信監視
  • セキュリティ監視
  • パケットキャプチャ
  • データセンター
  • 金融機関
  • 大規模企業ネットワーク

例えば、「特定のサーバーだけ通信が遅い」「通信内容を詳しく調査したい」といった場合に活躍します。

なぜネットワークタップが重要なのか

スイッチのミラーポート(SPAN)でもパケットを取得できますが、高負荷時には一部のパケットが欠落することがあります。

ネットワークタップは通信を物理的にコピーするため、パケット欠落が少なく、正確な解析が必要な環境で利用されています。

ネットワークタップの仕組み

ネットワークタップは通信経路へ接続され、送受信される通信を複製します。

  1. 通信がネットワークタップへ到達する
  2. 通信をそのまま通過させる
  3. 同時に通信をコピーする
  4. 監視機器へコピーした通信を送信する
  5. WiresharkやIDSで解析する

ネットワークタップとミラーポート(SPAN)の違い

項目 ネットワークタップ ミラーポート(SPAN)
通信取得方式 物理コピー スイッチ機能
パケット欠落 少ない 高負荷時に発生する場合がある
スイッチ設定 不要 必要
本番環境 利用しやすい 用途による

ネットワークタップとハブの違い

項目 ネットワークタップ ハブ
役割 通信をコピーする 通信を中継する
通信への影響 ほとんどない ブロードキャストが増える
主な用途 監視・解析 機器接続

初心者が混乱しやすいポイント

  • ネットワークタップは通信を高速化する機器ではない
  • 通信を保存する機器ではない
  • 通信解析にはWiresharkなど別のソフトウェアが必要
  • ネットワークタップ自体には解析機能がない製品も多い

IT現場での利用例

データセンターでは、ファイアウォールとコアスイッチの間へネットワークタップを設置し、IDS(侵入検知システム)やパケット解析装置へ通信を送信する構成がよく利用されています。

また、障害調査では、ネットワークタップとWiresharkを組み合わせて通信内容を解析することがあります。

筆者の現場経験

業務システムの通信遅延を調査した際、通常のミラーポートではパケットが欠落し、原因を特定できませんでした。

ネットワークタップへ切り替えて取得したところ、アプリケーションの再送通信が頻繁に発生していることが判明し、サーバー側の設定不備を特定できました。

この経験から、重要な通信解析ではネットワークタップを利用するようにしています。

業務でよくあるトラブル

  • 通信が取得できない
  • 光ファイバーの接続ミス
  • 送受信ポートの接続間違い
  • 監視機器側の設定ミス
  • リンク速度の不一致

障害発生時の確認する順番

  1. リンクランプを確認する
  2. 通信経路を確認する
  3. 監視ポートを確認する
  4. Wiresharkなどの設定を確認する
  5. 通信速度を確認する
  6. ログを確認する

原因の切り分け

確認対象 確認内容
ネットワークタップ 電源・リンク状態
監視機器 キャプチャ設定
LAN・光ケーブル 断線・接続状態
スイッチ リンク速度・通信状態
解析ソフト フィルター設定

GUIで確認する方法

一般的なネットワークタップには管理画面がない製品が多いですが、高機能モデルでは次のような内容を確認できます。

  • ポート状態
  • リンク速度
  • 通信量
  • エラーカウンター
  • システムログ

CLIで確認する内容

ネットワークタップ自体はCLIを備えていない製品が一般的です。

接続先のスイッチでは、次のようなコマンドでポート状態を確認できます。

  • show interfaces
  • show interfaces status
  • show logging

これらのコマンドでリンク状態や通信エラーなどを確認できます。

PowerShell・コマンドプロンプトで確認できる内容

Windows端末ではネットワークタップを直接確認できませんが、通信状況を調査できます。

コマンドプロンプト

  • ping
  • tracert
  • pathping
  • ipconfig /all

PowerShell

  • Test-NetConnection
  • Get-NetAdapter
  • Get-NetIPAddress

イベントビューアーで確認するポイント

Windowsではネットワークアダプターのリンク断や通信エラーを確認できます。

  1. イベントビューアーを開く
  2. Windowsログ
  3. システム
  4. ネットワーク関連のエラーを確認する

確認結果の見方

  • リンクランプが消灯している場合は配線や接続先を確認する
  • 通信は正常だがパケットが取得できない場合は監視ポートやキャプチャ設定を確認する
  • 一部通信だけ取得できない場合はフィルター設定を確認する
  • 解析ソフトにパケットが表示されない場合はキャプチャ対象のインターフェースを確認する

ショートカットキー

  • Windows + R:ファイル名を指定して実行
  • Windows + X:管理メニュー
  • Windows + I:設定
  • Ctrl + Shift +Esc:タスクマネージャー

初心者がやりがちなミス

  • 送信ポートと受信ポートを逆に接続する
  • Wiresharkのキャプチャ対象を間違える
  • ネットワークタップだけで解析できると思う
  • 光ファイバーのTX・RXを確認しない
  • ミラーポートとの違いを理解せず導入する

上司へ報告するポイント

  • 影響範囲
  • リンク状態
  • 取得できているパケットの有無
  • 監視機器の状態
  • 実施した切り分け内容
  • 今後の対応方針

エスカレーションするタイミング

  • ネットワークタップ本体の故障が疑われる場合
  • 光ファイバー断線が疑われる場合
  • 通信経路全体に影響が出ている場合
  • 高度なパケット解析が必要な場合
  • 保守ベンダー対応が必要な場合

応用知識

近年では、1Gbpsだけでなく10Gbps、25Gbps、40Gbps、100Gbpsに対応したネットワークタップも普及しています。また、複数の通信を1つの監視ポートへ集約する「アグリゲーションTAP」や、不要な通信を除外するフィルタリング機能を備えた高機能モデルも利用されています。

関連するIT用語

  • Wireshark
  • ミラーポート(SPAN)
  • パケットキャプチャ
  • IDS(Intrusion Detection System)
  • IPS(Intrusion Prevention System)
  • L2スイッチ
  • 光ファイバー
  • SFPモジュール
  • TCP/IP
  • パケット

よくある質問(FAQ)

Q. ネットワークタップとミラーポートはどちらが良いですか?

簡易的な調査であればミラーポートでも十分ですが、高負荷環境や正確なパケット解析が必要な場合はネットワークタップが適しています。

Q. ネットワークタップを設置すると通信は遅くなりますか?

一般的には通信への影響はほとんどありません。ただし、設置や配線作業は計画的に実施し、メンテナンス時間帯に行うことが推奨されます。

Q. ネットワークタップだけで通信内容を確認できますか?

いいえ。ネットワークタップは通信を複製する機器です。通信内容を解析するには、WiresharkやIDSなどの解析ソフトウェア・監視機器が必要です。

Q. ミラーポートがあるのにネットワークタップを使う理由は何ですか?

ミラーポートはスイッチの負荷や設定の影響でパケットが欠落する場合があります。ネットワークタップは通信を物理的に複製するため、より正確なパケット取得が可能です。

注意点

ネットワークタップは通信経路の途中へ設置するため、誤った配線をすると通信断が発生する可能性があります。導入や交換作業を行う際は、対象回線や送受信ポートを十分に確認し、影響範囲を把握したうえで実施しましょう。また、取得したパケットにはIDやパスワード、個人情報などの機密情報が含まれる可能性があるため、適切なアクセス制御と管理が必要です。

まとめ

ネットワークタップは、通信を止めることなくパケットを複製し、監視機器や解析機器へ送信するための専用機器です。ネットワーク障害の調査やセキュリティ監視など、正確なパケット解析が求められる環境で広く利用されています。

障害対応では、「リンク状態の確認 → 配線確認 → 監視ポート確認 → キャプチャ設定確認 → 通信速度確認 → ログ確認」の順番で切り分けることが重要です。この基本的な流れを身につけることで、通信解析やネットワーク監視の現場でも落ち着いて対応できるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました