サブネット設計の基本とは?初心者向けに考え方や設計手順をわかりやすく解説
サブネット設計とは、1つの大きなネットワークを用途や部署ごとに分割し、効率よく管理・運用するための設計作業です。
社内SEやインフラエンジニアの業務では、ネットワーク設計の一部としてサブネット設計を行うことが多くあります。適切に設計することで通信効率やセキュリティが向上し、障害発生時の影響範囲も限定できます。
この記事では、IT業務初心者向けにサブネット設計の基本的な考え方や設計手順、現場で意識するポイントを解説します。
サブネット設計とは?
サブネット設計とは、ネットワークを複数の小さなネットワーク(サブネット)に分割し、それぞれにIPアドレスを割り当てる設計です。
例えば、会社全体で1つのネットワークを利用するのではなく、部署や用途ごとにネットワークを分けることで管理しやすくなります。
| 部署・用途 | サブネット例 |
|---|---|
| 総務部 | 192.168.10.0/24 |
| 営業部 | 192.168.20.0/24 |
| 開発部 | 192.168.30.0/24 |
| サーバー | 192.168.40.0/24 |
| ゲストWi-Fi | 192.168.100.0/24 |
なぜサブネット設計が必要なのか
ネットワークを分割しない場合、すべての端末が同じネットワークに接続されるため、管理や運用が難しくなります。
サブネット設計には次のようなメリットがあります。
- 通信量を分散できる
- 障害の影響範囲を限定できる
- 部署ごとにアクセス制御できる
- セキュリティを強化できる
- ネットワーク管理がしやすくなる
サブネットマスクとの違い
初心者が混同しやすいのが「サブネット設計」と「サブネットマスク」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サブネット設計 | ネットワークをどのように分割するか考えること |
| サブネットマスク | ネットワークの範囲を示す設定値 |
サブネットマスクは、サブネット設計を実現するための設定項目の一つです。
サブネット設計の流れ
① 接続する機器の台数を確認する
まずは各部署や用途で接続する機器の台数を把握します。
- パソコン
- サーバー
- プリンター
- 無線LAN端末
- IP電話
将来的な増設も考慮して余裕を持った設計を行います。
② ネットワークを分割する単位を決める
部署や用途ごとに分割するのが一般的です。
- 部署ごと
- フロアごと
- 拠点ごと
- サーバー専用
- ゲストWi-Fi専用
③ IPアドレスを割り当てる
各サブネットに重複しないネットワークアドレスを割り当てます。
| ネットワーク | 用途 |
|---|---|
| 192.168.10.0/24 | 総務部 |
| 192.168.20.0/24 | 営業部 |
| 192.168.30.0/24 | 開発部 |
| 192.168.40.0/24 | サーバー |
④ VLANと組み合わせる
実際の企業ネットワークでは、サブネットとVLAN(Virtual LAN)を組み合わせて利用することが一般的です。
例えば営業部用のVLANには営業部用のサブネットを割り当てることで、部署ごとの通信を分離できます。
現場でよくある設計例
| VLAN | サブネット | 用途 |
|---|---|---|
| 10 | 192.168.10.0/24 | 総務部 |
| 20 | 192.168.20.0/24 | 営業部 |
| 30 | 192.168.30.0/24 | 開発部 |
| 40 | 192.168.40.0/24 | サーバー |
| 100 | 192.168.100.0/24 | ゲストWi-Fi |
部署や用途ごとにサブネットを分けることで、アクセス制御や障害対応がしやすくなります。
初心者が混乱しやすいポイント
サブネットを細かく分けすぎる
必要以上にサブネットを増やすと、管理やルーティング設定が複雑になります。
将来の増設を考慮しない
現在の利用台数だけで設計すると、機器追加時にIPアドレスが不足することがあります。
VLANとサブネットを混同する
VLANはスイッチでネットワークを論理的に分割する技術、サブネットはIPアドレスでネットワークを分割する考え方です。実際の現場では両方を組み合わせて利用します。
障害発生時の確認ポイント
- IPアドレスが正しいか
- サブネットマスクが一致しているか
- デフォルトゲートウェイが正しいか
- VLAN設定が一致しているか
- ルーティング設定に誤りがないか
異なるサブネット間で通信できない場合は、L3スイッチやルーターの設定も確認します。
コマンドプロンプトで確認する方法
- ipconfig /all(IPアドレス・サブネットマスク確認)
- ping(通信確認)
- tracert(通信経路確認)
- route print(ルーティングテーブル確認)
PowerShellで確認する方法
- Get-NetIPAddress
- Get-NetIPConfiguration
- Get-NetRoute
筆者の経験談
以前、小規模だからという理由で全部署を1つのサブネットで運用していたことがありました。その後、ゲストWi-Fiを導入した際に社内ネットワークと分離できず、急いでサブネットとVLANを再設計することになりました。
最初から用途ごとにサブネットを分けて設計していれば、追加作業も最小限で済みました。将来の拡張を見据えた設計の重要性を実感した経験です。
上司へ報告するポイント
- サブネットの分割方針
- 各サブネットの用途
- 利用予定台数
- 将来の拡張性
- VLANとの対応関係
- 既存ネットワークへの影響
エスカレーションするタイミング
- サブネットの追加が必要な場合
- 既存システムへの影響が大きい場合
- ルーティング変更が必要な場合
- ファイアウォールの設定変更を伴う場合
- ネットワーク全体の設計変更が必要な場合
関連するIT用語
- IPアドレス
- サブネットマスク
- CIDR
- VLAN
- ルーティング
- デフォルトゲートウェイ
- L3スイッチ
- DHCP
- ネットワーク設計
よくある質問(FAQ)
サブネットは必ず複数必要ですか?
小規模なネットワークでは1つのサブネットでも運用できます。ただし、利用者や機器が増える場合は、部署や用途ごとに分割した方が管理しやすくなります。
VLANだけでは駄目ですか?
VLANはネットワークを論理的に分割する仕組みですが、IPアドレス設計も必要です。一般的には、1つのVLANに対して1つのサブネットを割り当てて運用します。
初心者はどこまで理解すればよいですか?
まずは「サブネットはネットワークを分割する仕組み」であることと、部署や用途ごとに分ける理由を理解しましょう。実務では設計書を読みながら構成を把握できるようになることが第一歩です。
まとめ
サブネット設計は、ネットワークを効率的かつ安全に運用するための重要な工程です。
接続台数を把握し、部署や用途ごとにネットワークを分割し、将来の拡張も考慮して設計することが基本となります。
IT業務初心者は、IPアドレス設計との違いやVLANとの関係を理解することで、ネットワーク設計全体の流れをつかみやすくなり、構築や運用業務にもスムーズに対応できるようになります。

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