NASを導入するデメリットとは?導入前に知っておきたい注意点を初心者向けに解説
結論として、NAS(Network Attached Storage)はファイル共有やバックアップに便利な機器ですが、導入コストや運用管理の手間、故障やセキュリティ対策が必要になるというデメリットがあります。
「NASを導入すれば安心」と考えがちですが、実際のIT現場ではバックアップや定期的なメンテナンスも重要な業務です。メリットだけでなくデメリットも理解した上で導入を検討しましょう。
NASを導入するデメリットとは?
NASは便利な共有ストレージですが、導入すると管理する機器が増えるため、社内SEや情シス担当者の運用負担も増えます。
ここでは、企業で導入する際によく挙げられるデメリットを紹介します。
デメリット1:導入コストがかかる
NAS本体だけでなく、保存するHDDやSSDも別途購入する必要がある機種が多くあります。
さらに、RAID構成にする場合は複数台のディスクが必要になるため、初期費用が高くなることがあります。
デメリット2:運用・管理が必要
NASは導入して終わりではありません。
- ファームウェア更新
- 容量管理
- アクセス権の設定
- ログ確認
- バックアップ確認
- 障害監視
これらを定期的に実施しないと、トラブルが発生する可能性があります。
デメリット3:NASも故障する
NASはコンピューター機器であるため、故障する可能性があります。
- HDD故障
- 電源故障
- LANポート故障
- 基板故障
- ファン故障
そのため、重要なデータはNAS以外にもバックアップを取得することが重要です。
デメリット4:RAIDはバックアップではない
多くのNASはRAID(Redundant Array of Independent Disks)に対応しています。
RAIDによってHDD故障への耐性は向上しますが、次のようなケースではデータを守れません。
- 誤ってファイルを削除した
- ランサムウェアに感染した
- 火災や水害が発生した
- NAS本体が故障した
RAIDは可用性を高める技術であり、バックアップの代わりにはなりません。
デメリット5:ネットワーク障害の影響を受ける
NASはネットワーク経由で利用するため、LANやスイッチ、ルーターなどに障害が発生するとアクセスできなくなります。
| 障害箇所 | 影響 |
|---|---|
| LANケーブル | 接続できない |
| スイッチ | 複数ユーザーが利用不可 |
| ルーター | 拠点間通信が停止 |
| NAS本体 | 共有フォルダ利用不可 |
デメリット6:セキュリティ対策が必要
NASはネットワークへ接続されるため、適切なセキュリティ対策が欠かせません。
- 管理者パスワードの変更
- ファームウェア更新
- 不要なサービスを停止する
- アクセス権を適切に設定する
- VPN経由でアクセスする
特にインターネットへ直接公開する運用は避け、必要に応じてVPNを利用しましょう。
デメリット7:容量不足になることがある
企業では毎日データが増えるため、導入時に十分な容量を確保していても数年後には不足することがあります。
定期的に使用容量を確認し、必要に応じてディスク増設や容量拡張を検討しましょう。
IT現場でよくあるトラブル
- 共有フォルダへアクセスできない
- 保存容量がいっぱいになる
- RAID異常が表示される
- HDD故障アラートが出る
- バックアップが失敗している
- ランサムウェア感染により共有フォルダが暗号化される
導入前に確認したいポイント
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用人数 | 同時接続数を確認する |
| 保存容量 | 将来の増加も考慮する |
| RAID構成 | 用途に応じて選択する |
| バックアップ | NAS以外にも保存先を用意する |
| UPS | 停電対策を検討する |
障害発生時の確認する順番
- 自分だけ利用できないか全員利用できないか確認する
- NASの電源ランプを確認する
- ネットワーク接続を確認する
- ディスク容量を確認する
- RAID状態を確認する
- システムログを確認する
- バックアップ状況を確認する
GUIで確認する方法
- ブラウザーでNASの管理画面へアクセスする
- ストレージ容量を確認する
- RAID状態を確認する
- システムログを確認する
- 通知やアラートを確認する
メーカーによって画面は異なりますが、多くのNASで同様の項目を確認できます。
コマンドで確認する方法
Windows側では、次のコマンドで通信状況を確認できます。
- ping NAS名
- ping IPアドレス
- net use
- ipconfig
PowerShellでは、次のコマンドが利用できます。
- Test-Connection
- Get-SmbMapping
初心者がやりがちなミス
- RAIDだけで安心してしまう
- バックアップを取得しない
- 管理者パスワードを初期設定のまま利用する
- 容量不足を放置する
- ファームウェアを更新しない
筆者の現場経験
社内SEとして運用していたNASで、RAID構成だから安心だと思い込み、バックアップの確認を後回しにしていたことがありました。
その後、誤って共有フォルダのデータを大量削除するトラブルが発生し、RAIDでは復元できず、別途取得していたバックアップから復旧しました。
この経験から、「RAIDはバックアップではない」という考え方を強く意識するようになりました。
上司へ報告するポイント
- 影響を受けているユーザー数
- 発生時刻
- RAID状態
- ディスク容量
- システムログの内容
- バックアップ状況
エスカレーションするタイミング
- RAID異常が発生している
- HDDから異音がする
- NASが起動しない
- 全社員が共有フォルダへアクセスできない
- ランサムウェア感染が疑われる
- バックアップからの復元が必要になった
データ消失につながる可能性がある場合は、自己判断でディスク交換や初期化を行わず、管理者や保守ベンダーへ速やかにエスカレーションしましょう。
関連するIT用語
- RAID(Redundant Array of Independent Disks)
- バックアップ
- UPS(無停電電源装置)
- SMB(Server Message Block)
- VPN(Virtual Private Network)
- Active Directory
- ファイルサーバー
- ストレージ
よくある質問(FAQ)
NASは壊れにくいですか?
24時間稼働を前提に設計されていますが、HDDや電源などの部品は消耗品です。定期的な点検とバックアップが欠かせません。
RAIDがあればバックアップは不要ですか?
不要ではありません。RAIDはHDD故障への対策であり、誤削除やウイルス感染、災害などには対応できません。
小規模な会社でもNASは必要ですか?
複数人でファイルを共有する環境であれば、NASを導入することでデータ管理やバックアップ運用を効率化できます。ただし、導入費用や運用負担も考慮して選定することが大切です。
まとめ
NASは便利な共有ストレージですが、導入コスト・運用管理・故障対策・セキュリティ対策といったデメリットもあります。
特に重要なのは、「RAIDはバックアップではない」「NASも故障する」という点を理解して運用することです。
導入前には、利用人数や必要容量だけでなく、バックアップ方法や障害発生時の対応手順まで含めて計画しておくことで、安心してNASを活用できます。

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