NASの容量はどう決める?失敗しない選び方を初心者向けに解説
結論として、NASの容量は「現在保存しているデータ量」だけでなく、「今後数年間で増えるデータ量」「RAIDによる容量減少」「バックアップ用途」まで考慮して決めることが重要です。
「今使っている容量と同じで十分」と考えてしまうと、数年で容量不足になることがあります。社内SEや情シス担当者は、将来の運用も見据えて余裕を持った容量を選びましょう。
NASの容量はどう決める?
NASを選ぶ際は、単純に「何TB必要か」だけでは判断できません。
次の4つを確認すると、必要な容量を計算しやすくなります。
- 現在のデータ容量
- 年間のデータ増加量
- 保存期間
- RAID構成
まず現在のデータ容量を確認する
最初に、現在保存しているデータ量を確認します。
例えば、共有フォルダ全体で500GB利用している場合、その数値が基準になります。
| 現在の利用容量 | 例 |
|---|---|
| 共有フォルダ | 500GB |
| バックアップ | 800GB |
| 写真・動画 | 300GB |
データは毎年増えることを考える
企業では毎日新しいデータが保存されます。
例えば、年間100GB増える会社なら、3年間で約300GB増える計算です。
導入時には、少なくとも3~5年後の容量も考慮すると安心です。
RAIDによって利用できる容量は減る
NASではRAID(Redundant Array of Independent Disks)を利用することが多くあります。
RAIDを構成すると、搭載したディスク容量すべてを利用できるわけではありません。
| ディスク構成 | 搭載容量 | 利用可能容量(目安) |
|---|---|---|
| 2TB × 2台(RAID 1) | 4TB | 約2TB |
| 4TB × 2台(RAID 1) | 8TB | 約4TB |
| 4TB × 4台(RAID 5) | 16TB | 約12TB |
RAIDはデータ保護のために容量の一部を使用するため、実際に利用できる容量は少なくなります。
用途別の容量目安
| 用途 | おすすめ容量 |
|---|---|
| 家庭で写真保存 | 2~4TB |
| 小規模オフィス | 4~8TB |
| 部署共有フォルダ | 8~16TB |
| 設計・動画編集 | 16TB以上 |
| サーバーバックアップ | バックアップ元以上 |
実際に必要な容量は、保存するデータの種類や利用人数によって異なります。
バックアップ用途なら容量に余裕を持つ
NASをバックアップ保存先として利用する場合は、バックアップ元と同じ容量では不足することがあります。
世代管理や複数回分のバックアップを保存する場合は、さらに大きな容量が必要です。
容量だけでなく拡張性も重要
将来的にディスクを追加できる機種を選ぶと、容量不足になった際も対応しやすくなります。
- 2ベイNAS
- 4ベイNAS
- 6ベイNAS
- 8ベイNAS
利用人数やデータ増加を考えると、余裕のあるベイ数を選ぶことがおすすめです。
IT現場でよくある容量不足の原因
- 写真や動画が増えた
- バックアップ世代が増えた
- 不要ファイルを削除していない
- 利用人数が増えた
- 設計データが大容量化した
導入前に確認したいポイント
- 現在の保存容量
- 年間のデータ増加量
- 利用人数
- バックアップの保存期間
- RAID構成
- 将来の容量拡張
容量不足になるとどうなる?
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 保存できない | 新しいファイルを保存できない |
| バックアップ失敗 | 自動バックアップが停止する |
| 動作が遅くなる | 容量不足で性能が低下する場合がある |
| 業務停止 | 共有フォルダが利用できなくなることがある |
GUIで容量を確認する方法
- NASの管理画面へログインする
- 「ストレージ」または「ボリューム」を開く
- 使用容量と空き容量を確認する
- RAID状態も合わせて確認する
メーカーによって画面は異なりますが、多くのNASで同様の項目を確認できます。
Windowsで確認する方法
共有フォルダの使用状況は、エクスプローラーから確認できます。
- エクスプローラーを開く
- ネットワークドライブを右クリックする
- 「プロパティ」を選択する
- 使用容量と空き容量を確認する
PowerShell・コマンドで確認する方法
Windows側では、接続確認に次のコマンドを利用できます。
- net use
- ping NAS名
- Test-Connection
容量の詳細は、NASの管理画面で確認するのが一般的です。
初心者がやりがちなミス
- 現在の容量だけで選ぶ
- RAIDによる容量減少を考慮しない
- バックアップ容量を計算しない
- 将来の利用人数を考えない
- 拡張できない機種を選ぶ
筆者の現場経験
社内SEとしてNASを更新した際、「現在500GBしか使っていないから1TBあれば十分」と考えて導入したことがありました。
しかし、設計データや動画ファイルが増えたことで2年ほどで容量不足となり、ディスク交換が必要になりました。
それ以来、現在の容量だけではなく、3~5年後のデータ増加も見込んで選定するようにしています。
上司へ報告するポイント
- 現在の使用容量
- 空き容量
- 容量不足になる見込み
- 利用人数
- RAID構成
- 容量拡張の必要性
エスカレーションするタイミング
- 空き容量が少なくなっている
- バックアップが容量不足で失敗している
- RAID異常が発生している
- ディスク交換が必要になった
- 容量増設を検討する必要がある
容量不足を放置すると、共有フォルダへの保存やバックアップが停止する可能性があります。早めに管理者へ相談し、容量増設や不要データの整理を検討しましょう。
関連するIT用語
- RAID(Redundant Array of Independent Disks)
- ストレージ
- バックアップ
- ファイルサーバー
- SMB(Server Message Block)
- HDD(Hard Disk Drive)
- SSD(Solid State Drive)
- ボリューム
よくある質問(FAQ)
容量が大きいNASを選べば安心ですか?
容量に余裕を持つことは大切ですが、RAID構成やバックアップ方法、将来のデータ増加も考慮して選ぶことが重要です。
RAIDを組むと容量は半分になりますか?
RAID 1では2台のディスクのうち1台分の容量しか利用できませんが、RAID 5などでは利用可能容量の計算方法が異なります。RAID構成によって利用できる容量は変わります。
後から容量を増やせますか?
機種によってはディスクの増設や交換で容量を拡張できます。ただし、対応方法はメーカーやモデルによって異なるため、導入前に拡張性を確認しておくと安心です。
まとめ
NASの容量を決める際は、現在のデータ量だけではなく、将来の増加量・RAIDによる容量減少・バックアップ運用まで考慮することが重要です。
特に企業ではデータ量が年々増えるため、3~5年後を見据えて余裕のある容量を選ぶと、容量不足によるトラブルを防ぎやすくなります。
導入後も定期的に使用容量を確認し、空き容量が少なくなる前にディスク増設や容量拡張を検討することが、安定したNAS運用につながります。

コメント