NASを選ぶときのポイントとは?初心者でも失敗しない選び方をわかりやすく解説
結論として、NAS(Network Attached Storage)を選ぶ際は、「容量」「ベイ数」「RAID対応」「利用人数」「性能」「バックアップ機能」「管理機能」を確認することが重要です。
価格だけで選ぶと、容量不足や性能不足、将来的な拡張ができないなどの問題が発生することがあります。社内SEやヘルプデスクとして導入を検討する場合は、現在だけでなく数年後の運用も考えて選びましょう。
NASを選ぶときのポイント
NASには家庭向けから法人向けまでさまざまな製品があります。
まずは、どのような用途で利用するのかを明確にすることが大切です。
1. 利用目的を決める
最初に、NASを何に使うのかを整理しましょう。
| 利用目的 | 例 |
|---|---|
| 共有フォルダ | 部署でファイル共有 |
| バックアップ | PC・サーバーの保存先 |
| 写真・動画保存 | 家庭利用 |
| 監視カメラ | 録画データ保存 |
用途によって必要な容量や性能は大きく変わります。
2. 容量を決める
現在のデータ量だけではなく、将来増えるデータも考慮しましょう。
- 現在の利用容量
- 年間のデータ増加量
- 保存期間
- バックアップ容量
一般的には、3~5年後を見据えた容量を選ぶと安心です。
3. ベイ数を確認する
ベイとは、HDDやSSDを取り付ける場所のことです。
| ベイ数 | 特徴 |
|---|---|
| 1ベイ | RAID不可・個人向け |
| 2ベイ | RAID 1対応・小規模向け |
| 4ベイ | RAID 5対応・企業向け |
| 6ベイ以上 | 大容量・拡張性が高い |
将来的な容量増設を考えるなら、余裕のあるベイ数がおすすめです。
4. RAID対応を確認する
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、HDD故障時の可用性を高めるための仕組みです。
| RAID | 特徴 |
|---|---|
| RAID 0 | 高速だが冗長性なし |
| RAID 1 | 2台構成でデータを複製 |
| RAID 5 | 容量と冗長性のバランスが良い |
| RAID 6 | より高い耐障害性 |
RAIDはバックアップではないため、別途バックアップ環境も必要です。
5. 利用人数を考える
同時に利用する人数が多いほど、高性能なCPUやメモリが必要になります。
| 利用人数 | 目安 |
|---|---|
| 1~5人 | 家庭向けNASでも対応可能 |
| 5~20人 | 小規模法人向けNAS |
| 20人以上 | 法人向け高性能NAS |
6. CPUとメモリを確認する
CPUやメモリはNASの処理性能に影響します。
バックアップや複数人での利用が多い場合は、高性能なCPUや増設可能なメモリを搭載した機種がおすすめです。
7. ネットワーク性能を確認する
企業では複数ユーザーが同時にアクセスするため、LANポートの数や通信速度も重要です。
- 1GbE対応
- 2.5GbE対応
- 10GbE対応
- LANポート冗長化対応
大容量ファイルを扱う場合は、高速通信に対応した機種が適しています。
8. バックアップ機能を確認する
NAS本体だけではなく、バックアップ機能も確認しましょう。
- 自動バックアップ
- クラウド同期
- 別NASへの複製
- USBバックアップ
業務データを扱う企業では、自動バックアップ機能があると管理しやすくなります。
9. Active Directory対応を確認する
Windows Serverを利用している企業では、Active Directory連携に対応しているとユーザー管理を一元化できます。
社内SEや情シス担当者にとっては重要な選定ポイントです。
10. 保守・サポート体制を確認する
法人利用では、故障時の保守サービスも重要です。
- 保証期間
- オンサイト保守
- 電話サポート
- 部品供給期間
業務で利用する場合は、サポート内容も比較して選びましょう。
NAS選びでよくある失敗
| 失敗例 | 原因 |
|---|---|
| 容量不足 | 現在の容量だけで選んだ |
| 性能不足 | 利用人数を考えなかった |
| 拡張できない | ベイ数が少なかった |
| バックアップがない | RAIDだけで安心した |
導入前に確認したいチェックリスト
- 利用目的は明確か
- 必要な容量は十分か
- RAID構成を決めているか
- 利用人数に適した性能か
- Active Directory連携は必要か
- バックアップ方法は決まっているか
- 将来的な容量拡張ができるか
- 保守サービスは十分か
GUIで確認する方法
導入後はNASの管理画面から次の項目を定期的に確認します。
- ストレージ容量
- RAID状態
- ディスクの健康状態
- システムログ
- バックアップ状況
コマンド・PowerShellで確認する方法
Windows側では、次のコマンドで接続確認ができます。
- ping NAS名
- net use
- ipconfig
- Test-Connection
- Get-SmbMapping
初心者がやりがちなミス
- 価格だけで選ぶ
- RAID対応を確認しない
- 容量に余裕を持たない
- 利用人数を考慮しない
- バックアップを計画しない
- 保守体制を確認しない
筆者の現場経験
社内SEとしてNASを選定した際、価格を優先して2ベイモデルを導入したことがありました。
当時は十分な容量でしたが、数年後に設計データやバックアップ容量が増え、ディスク交換だけでは対応できず、4ベイNASへリプレースすることになりました。
それ以降は、現在の利用状況だけでなく、将来の利用人数やデータ増加、拡張性まで考慮して選定するようにしています。
上司へ報告するポイント
- 現在のデータ容量
- 利用人数
- 必要なRAID構成
- 必要容量
- バックアップ方法
- 保守サービスの内容
エスカレーションするタイミング
- 容量設計に不安がある
- RAID構成を決められない
- 利用人数が増える予定がある
- Active Directory連携が必要になった
- 高可用性が求められるシステムで利用する
企業で導入する場合は、自己判断だけで機種を決定せず、管理者やベンダーと相談しながら選定を進めることが大切です。
関連するIT用語
- RAID(Redundant Array of Independent Disks)
- ストレージ
- SMB(Server Message Block)
- Active Directory
- バックアップ
- HDD(Hard Disk Drive)
- SSD(Solid State Drive)
- ファイルサーバー
よくある質問(FAQ)
家庭用と法人向けではどちらを選べばよいですか?
家庭で写真や動画を保存する用途なら家庭向けNASでも十分です。会社で共有フォルダやバックアップに利用する場合は、管理機能や保守体制が充実した法人向けNASがおすすめです。
2ベイと4ベイはどちらがおすすめですか?
小規模環境なら2ベイでも運用できますが、将来的な容量拡張やRAID 5を利用したい場合は4ベイ以上の機種が適しています。
NAS本体とHDDは別に購入する必要がありますか?
製品によります。HDDが付属していない「ディスクレスモデル」も多いため、購入前に本体のみか、HDD搭載済みかを確認しましょう。
まとめ
NASを選ぶ際は、容量・ベイ数・RAID対応・利用人数・性能・バックアップ機能・保守体制を総合的に判断することが大切です。
価格だけで選ぶと、容量不足や性能不足で数年後に買い替えが必要になることもあります。
現在の利用状況だけでなく、3~5年後のデータ量や利用人数、将来的な拡張性も考慮して選ぶことで、長期間安心してNASを運用できます。

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