ネットワーク障害対応の流れ|IT業務初心者が最初に覚えるべき確認手順と原因の切り分け
ネットワーク障害が発生した場合は、「いきなり設定を変更しない」ことが最も重要です。まずは影響範囲を確認し、「自分だけの問題なのか」「部署全体なのか」「会社全体なのか」を切り分けてから調査を進めます。この基本的な流れを覚えるだけで、IT業務初心者でも落ち着いて対応できるようになります。
ネットワーク障害とは
ネットワーク障害とは、パソコンやサーバー、プリンターなどが正常に通信できなくなる状態のことです。
例えば次のようなトラブルが該当します。
- インターネットにつながらない
- 共有フォルダーへアクセスできない
- 社内システムへログインできない
- プリンターへ印刷できない
- VPNへ接続できない
原因はネットワーク機器だけではなく、Windows、Active Directory、DNS、DHCP、サーバー障害などさまざまです。
ネットワーク障害対応で最初に確認すること
最初に確認するのは影響範囲です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 利用者 | 自分だけか、他の利用者も同じか |
| 場所 | 同じ部署だけか、全社か |
| 機器 | PCだけか、スマートフォンも同じか |
| サービス | インターネットだけか、共有フォルダーも利用できないか |
| 時間 | いつから発生したか |
影響範囲が分かるだけでも原因をかなり絞り込めます。
ネットワーク障害対応の基本的な流れ
- 利用者から状況を聞く
- 影響範囲を確認する
- 物理接続を確認する
- IPアドレスを確認する
- 通信確認を行う
- DNSを確認する
- サーバー側を確認する
- ログを確認する
- 上司や担当部署へ報告する
手順① 利用者から状況を聞く
まずは次の内容を確認します。
- いつから発生したか
- どの画面でエラーになったか
- エラーメッセージの内容
- 何か変更を行ったか
- 他の利用者も同じ症状か
エラーメッセージはスクリーンショットを保存してもらうと後から役立ちます。
手順② 物理接続を確認する
意外と多い原因が物理的な接続不良です。
- LANケーブルが抜けていないか
- Wi-Fiへ接続されているか
- ネットワーク機器のランプが点灯しているか
- スイッチングハブの電源が入っているか
- 無線LANアクセスポイントが停止していないか
新人時代に「LANケーブルが半分抜けていただけ」という事例を何度も経験しました。設定変更より先に物理確認を行う習慣が大切です。
手順③ IPアドレスを確認する
GUIで確認する方法
- 設定を開く
- ネットワークとインターネットを選択
- 接続中のネットワークを開く
- IPv4アドレスを確認する
コマンドで確認する方法
コマンドプロンプトを開いて実行します。
ipconfig
さらに詳細を確認する場合は次のコマンドを使用します。
ipconfig /all
確認ポイントは次のとおりです。
- IPアドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
- DNSサーバー
- DHCP有効
169.254から始まるIPアドレスの場合は、DHCPサーバーからIPアドレスを取得できていない可能性があります。
手順④ 通信確認を行う
pingコマンド
通信確認の基本です。
ping 192.168.1.1
まずはデフォルトゲートウェイへ通信できるか確認します。
続いて外部への通信を確認します。
ping 8.8.8.8
最後に名前解決も確認します。
ping www.microsoft.com
| 結果 | 考えられる原因 |
|---|---|
| ゲートウェイへ届かない | LAN・Wi-Fi・スイッチ・NIC |
| IPは届くが名前は届かない | DNS障害 |
| どこにも届かない | ネットワーク全体障害 |
手順⑤ DNSを確認する
DNS(Domain Name System)は、名前をIPアドレスへ変換する仕組みです。
次のコマンドで確認できます。
nslookup www.microsoft.com
IPアドレスが返ってくればDNSは正常に動作している可能性があります。
手順⑥ PowerShellで確認する
PowerShellでは次のコマンドがよく利用されます。
Get-NetIPAddress
Test-NetConnection www.microsoft.com
通信可否やポートの確認まで実施できます。
手順⑦ イベントビューアーを確認する
Windowsのログを確認する場合はイベントビューアーを利用します。
Win+X → イベントビューアー
確認する場所は次のとおりです。
- Windowsログ
- システム
- アプリケーション
エラーや警告が発生していないか確認します。
原因の切り分け
| 原因 | 確認ポイント |
|---|---|
| 利用者側 | LANケーブル、Wi-Fi、PC再起動 |
| Windows側 | NIC無効、ドライバー異常 |
| ネットワーク側 | スイッチ、ルーター、Firewall |
| DHCP側 | IPアドレス取得状況 |
| DNS側 | 名前解決できるか |
| Active Directory側 | ログオン・認証エラー |
| サーバー側 | 共有フォルダー、Webサーバー停止 |
業務でよくあるトラブル例
共有フォルダーへアクセスできない
原因候補
- サーバー停止
- DNS障害
- 権限変更
- ネットワーク障害
インターネットだけ利用できない
原因候補
- プロキシ設定
- ルーター障害
- 回線障害
部署全体で通信できない
原因候補
- スイッチ故障
- LANケーブル断線
- VLAN設定
初心者がやりがちなミス
- 再起動だけで終わらせる
- 設定を変更して原因を分からなくする
- ログを確認しない
- 利用者への聞き取り不足
- 影響範囲を確認しない
上司へ報告するポイント
- 発生時刻
- 影響範囲
- 発生場所
- 確認した内容
- 実施した対応
- 現在の状況
- 次に確認する内容
「つながりませんでした」だけではなく、「デフォルトゲートウェイには疎通できるがDNS名前解決が失敗しています」のように報告すると、原因の切り分けがスムーズになります。
エスカレーションするタイミング
- 部署全体へ影響がある
- サーバー障害が疑われる
- ネットワーク機器故障の可能性がある
- Active DirectoryやDNSサーバーの障害が疑われる
- 業務停止が発生している
新人が覚えておくべきポイント
- 設定変更は最後に行う
- 影響範囲を最初に確認する
- 物理確認を軽視しない
- ping・ipconfig・nslookupは必ず使えるようになる
- ログを確認して根拠を持って報告する
関連するIT用語
- TCP/IP
- DNS(Domain Name System)
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
- Active Directory
- ルーター
- スイッチ
- デフォルトゲートウェイ
- VLAN
- VPN
- Firewall
よくある質問(FAQ)
Q. 最初に実行するコマンドは何ですか?
まずはipconfigでIPアドレスを確認し、その後pingで通信確認を行うのが基本です。
Q. pingが失敗したら必ずネットワーク障害ですか?
いいえ。相手側でICMPが無効になっている場合もあるため、ほかの疎通確認やサービスの状態も合わせて確認しましょう。
Q. イベントビューアーは毎回確認するべきですか?
Windows側の問題が疑われる場合は確認をおすすめします。エラーや警告の内容は原因特定の重要な手掛かりになります。
まとめ
ネットワーク障害対応では、影響範囲の確認→物理接続の確認→IPアドレス確認→通信確認→DNS確認→ログ確認という順番で進めることが重要です。
初心者ほど設定変更から始めてしまいがちですが、現場では「原因を切り分ける力」が高く評価されます。まずはipconfig、ping、nslookupの基本コマンドを使いこなし、確認した事実を整理して報告できるようになることが、ネットワーク障害対応の第一歩です。

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